佐々木千賀子著作のページ


大阪府生。テレビ番組構成、コピーライターを経て、1998年小松左京、1993年立花隆、両氏の秘書につく。99年よりスタジオジブリにて宮崎駿監督の指導の下にアニメーション映画の企画、原作探しに携わる。2003年沖縄へ移住。現在、渇ォ縄映像センター勤務、プロデューサーとしてドキュメンタリー等の制作、執筆活動に取り組む。

 


   

●「立花隆秘書日記」● ★☆




2003年3月
ポプラ社刊

(1500円+税)

 

2003/04/27

1993年から98年まで、佐々木さんが立花隆事務所(ネコビル)に3代目秘書として仕えた5年間の日記録。
本書に興味惹かれるのは、「立花隆」という題名中の名前にあることは否定できません。しかし、本書は“立花隆”という人物を語る書では決してありません。
あくまで、5年にわたる秘書としての日々、実際に起きた出来事を書き綴った「日記」であり、同時にそれは小説を読むような面白さを備えています。
勿論、立花隆氏は本書の重要部分を占めます。それは秘書日記である以上当然のこと。
まずは新聞紙上にのった秘書の募集広告、多数の応募者に対する相当にハードな筆記試験、面接、実技テストという、佐々木さんが秘書に選ばれるまでの経過については、唖然とする程。如何にも立花隆氏らしいと、本書にすんなり惹きこまれます。
そして、阪神大震災、地下鉄サリン事件、オウム真理教問題、東大での「先端研探偵団」結成、「インターネット探検」出版の舞台裏と、TVのニュース番組あるいは著書を通じて立花隆氏を見ることが多かっただけに、改めて立花隆氏の側から当時を振り返ることには興味深いものがあります。

なお、立花隆事務所のある建物は、1991年の完成で、建築面積27u、地下2階地上3階建。外壁に大きなネコの顔が描かれていることから、通称「ネコビル」とのこと。

 


     

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