永松真紀著作のページ


1967年福岡県北九州市生。多くのリピーターを抱えるプロ添乗員。96年より本格的にケニアに移住し、2005年04月マサイ戦士のジャクソン氏と結婚、第二夫人となる。

 → “マサイ村にようこそ!

 


   

●「私の夫はマサイ戦士」● ★★




2006年12月
新潮社
(1300円+税)

2014年05月
新潮文庫化

 

2007/02/06

 

amazon.co.jp

日本人女性がケニアに住むマサイと結婚! しかも第二夫人!?というのですから、これはもう驚くのが当然でしょう。
以前イラン人と結婚して20年間をイランで過ごした日本人女性のエッセイカスピ海の空はむらさき色を読んだときにも、その勇気に感心したのですが、今回の驚きはもっと上!

しかし、本書を読むと、何も永松さんが冒険しようとマサイ族に飛び込んだ訳ではないことがよく判ります。
まずアフリカに興味をもってケニアに行き、ケニアがすっかり気に入った(後に嫌いになった時期もあったとのことですが)という事実。ケニアに親しむにつれ、もっとケニアのことを知りたいと思った末にたどり着いたのがマサイ族の10年に一度という成人の儀式だったこと。そこで出会った正統マサイ族のジャクソン氏にすっかりのぼせて、再会、彼の村への訪問から、トントンと話が進んでしまったとのこと。
初めてマサイの村を訪れた際、長老からおもむろに「彼の第二夫人として迎えるつもりなのだが」と言われるなんて、誰が予想できることでしょう。
そのマサイに感心したことは、第二夫人になっても添乗員の仕事を続けたいならそれでも良いという、彼らの態度です。いったいどうなっているのだろう? マサイって思いのほか国際派?と面喰う思いがしました。
聞けばマサイは、他の文化、相手の生活スタイルを尊重するのだとか。そしてマサイもちょうど劇的な変化の中にあって、伝統的生活と都市的生活の両方を知っている永松さんは、貴重な架け橋となれる存在であり、マサイにとってもそれはプラスになる筈と励まされたのだという。
アフリカ、部族という言葉からはつい文明から遅れた人々と思ってしまいがちなのですが、マサイの人たちが伝統的な生活を未だ守り続けているからといって、彼らは先進国の人々に決してひけをとる存在ではないことをつくづく感じました。先進国に住んでいるからといって奢るべからず。
その意味でも、本書は私の頭にガツンと一撃!という本でした。
それにしてもマサイの性に対する考え方や実際の性生活、違うもんですねぇ〜。

※なお、永松さんがケニアで添乗員として活躍するようになるにあたっては、山崎豊子「沈まぬ太陽の主人公・恩地元のモデルとなった小倉寛太郎さんとの出会いが大きかったといいます。

はじめに/ケニアに降り立った日/見えてきた本当のケニア/ジャクソンとの出会い/人生最大の決断/マサイに嫁ぐ日/新たな生活の始まり/おわりに

 


     

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