どうして韓国はあぁ日本に対して過激になるのか。韓国人の国民性なのか、そして、それは日本に対してだけなのか?
そう感じたことのある人は私だけではきっとないと思います。
戦前、日韓併合という形で日本が韓国を植民地支配したという歴史が原因というだけでは納得できないものがそこにはあります。
その疑問を鮮やかに、かつ一気に解き明かしてくれたのが本書です。
そもそも韓国が日本の植民地支配を脱したのは、韓国が日本との抗争に勝利したためでも、独立運動の成果でもない。日本の敗戦の結果として手に入れたものに過ぎない。その欲求不満、割り切れなさがが常に日本への過激な要求として現れるのである、と著者の黒田さんは語っています。
なんと判り易く、納得感のある説明でしょうか。
また、金日成(北朝鮮)と朴正熙(韓国)との対比も見事です。片や中国とともに抗日運動の旗手として台頭した人物、片や日本の陸軍士官学校を優秀な成績で卒業して、韓国を近代国家に導いた人物。その行動において、前者は日本を拒否し、後者は日本を利用した。その結果はどうであったかというと、それは北朝鮮と韓国の現状に現れていると言うことができる、と言います。なんと実証的な比較でしょうか。
さらに、何故韓国は日本に対する内政干渉のごとき発言を繰り返すのか。そもそも日本と韓国の間には植民地という関係があったためか国境意識が薄いのではないかと黒田さんは指摘します。
本書を読んで、如何に自分が日本と韓国の関係を浅くしか見ていなかったのかと目を覚まされるような思いがしました。
上記3点は本書のほんと触りにしか過ぎません。一時の韓流ブームだけでなく、日本と韓国は今後とも長く親しくあるいは反発しながら近い関係を続けていくものと思われます。そのためにももっと韓国との関係を日本人は知っておくべきでしょう。
本書はそのための恰好の著作といえますが、単に良書というに留まらず、読んでいて実に面白いのです。
是非お薦めしたい一冊です。
1.韓国はなぜ日本を許さないか・・・「植民地の終わり方」の失敗/独島シンドローム/日本統治の過去処理をめぐって
2.日本は韓国に何を残したか・・・南北格差はなぜ開いたか/金日成と朴正熙の内なる日本/なぜ日本で拉致事件が起きたのか/誰も知らなかった「日本隠し」
3.韓国にとって日本とは何か・・・光復六十周年の風景/「歴史清算」は日本まかせ?/韓流ブーム断想
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