2001年1月
新潮選書刊
(1100円+税)
2003/06/16
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阪急(現オリックス)−阪神とわたり、スローカーブを武器に活躍した名物投手が語ったエッセイ。
何と言ってもピッチャー・星野伸之が名を馳せたのは、プロ野球の投手としては決して速くない130kmのストレート、遅い110kmのフォークに併せて、驚異的な遅さの90km前後のカーブがあったこと。
残念ながら、パ・リーグの試合を見る機会は殆どなく、阪神移籍後は充分な活躍をできたとは言えませんでしたから、本書を読んで初めてその投球術を知り得た、という次第。
私が凄いなぁと思った投手は、私と同世代の江川卓投手(現解説者)ですけれど、彼が豪速球投手だったのに対し、星野投手はそれと対照的。それだけに、投球術も星野さん独特なものがあったようです。“その場しのぎの投球術”と言われたそうですが、決して否定的な意味ではなく、成る程なぁと感じるところ多。
名投手、名選手とのエピソードもあり、野球ファンには気軽に楽しめる一冊です。
野球は投手のためにある/コントロールは投手の命/ド真ん中で打ち取る“86kmのテクニック”/メンタル・テクニックで裏をかく/あの名監督・名選手、この名勝負
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