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「実歴阿房列車先生」 ★★☆ |
1983年11月 2018年09月
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あの名紀行、内田百「阿房列車」に登場する国鉄職員、<ヒマラヤ山系>こと平山三郎氏によるエッセイ本。 内田百閨A阿房列車のファンなら、飛び上がって喜びたくなる一冊であること、間違いなし。 最初の刊行は1965年、本書はそれから50年余を経ての再文庫化ですが、中身の面白さは全く衰えなし、と思います。 著者と百關謳カ、阿房列車の道連れとなるのにどんな関わり、経緯があったのかと、「阿房列車」初読以来気になっていたのですが、本書を読めばその辺りがやっと判ります。 また、著者から見た百關謳カの人物像、また阿房列車の旅を同氏側から見た有り様がきちんと描かれており、興味尽きないと同時に、楽しくって仕方ありません。 本書の中には、偏屈ですが、どこか一本筋が通っていて、類まれに愛すべき百關謳カの人となりが生き生きと、余すところなく描かれています。 同時にその文章からは、平山三郎氏の百關謳カに対する敬愛の情が深く感じられ、とても愛おしい。 いつかまた、本書を手に取りながら「阿房列車」を是非読み返したいものだと思います。 内田百閭tァン、阿房列車ファン、そして新たに百關謳カに興味を持たれた方に、是非お薦め! 【実歴阿房列車先生】 雑俎・・・1.「旅順開城」か「旅順入城式」か/2.阿房列車走行粁数 その他/3.べんがら始末/4.「昇天」と「葉蘭」の嘘/5.忘却す来時の道/6.阿房の鳥飼/7.阿房列車以後/8.俳句のこと少々/9.色紙・跋文・その外/ 【百鬼園先生追想】 蝙蝠の夕闇残し/枕辺のシャムパン/塀の外吹く俄風/百鬼園の鉄道(新幹線阿房列車/列車時刻表/千里之門/汽笛一声)/百闡S集刊行前後/日と月の詮索/百鬼園座談/百關謳カのレトリック/四谷の先生/百鬼園居は日没閉門 |