原田純夫著作のページ


1960年生、写真家。ロッキー山脈に棲む白いカモシカ、マウンテンゴートに魅せられ、94年より米国モンタナ州に家族と共に移り住む。

 


   

●「モンタナの風」● ★★




2002年4月
新潮社刊
(1800円+税)

 

2002/05/24

ロッキー山脈に生息するマウンテンゴート(和名:シロイワヤギ)に魅せられたカメラマンの原田さんは、その近くに住もうと、家族揃って米国モンタナ州に移住してしまいます。4歳の一人娘・萌ちゃんも連れて。
本書は、そんな原田さんによる、モンタナ生活記です。
となると思い出すのは、アフリカ・サバンナの動物たちを写真に撮るため、タンザニアで一年半生活した岩合さん一家(夫婦+薫ちゃんを含む)の生活記、アフリカ・ポレポレです。

でも、本書は「アフリカ・ポレポレ」とは趣きを異にしていました。本書は、モンタナに住む人々の生活観、生活風景、さらに自然や動物に対する考え方を語った本だと言えます。その点、日本とは全く違った環境での生活奮闘記であった「アフリカ」とは、かなり異なるものです。
そのモンタナに住む人々の生活観は、日本に住む我々とは全くかけ離れたものである、と言って良いでしょう。ですから、本書の一章、一章に、新鮮な驚きを覚えます。そして、そこには爽快感があります。
自然を箱庭の如くに改良して住もうとする日本人と、雄大な自然の中に入り込み、自然と折り合って暮らすモンタナ人の違い、ひとことで言えばそんなところでしょうか。
ちょっと気分転換をしたいと思った時、本書は格好の一冊です。

(抜粋)晴れときどき曇り、ところによって一時雨か雪/ハクトウワシの消えた理由/恐竜の骨を発掘してきました/ウマにささやく人/コヨーテの孤独/新案、クマ撃退法/住みたいところを創る夫婦/クロアシイタチの絶滅/アカリスの子育て日記

  


 

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