文芸春秋編のページ

 


   

●「私の死亡記事」● 

  

 
2000年12月
文芸春秋刊

2004年12月
文春文庫

(562円+税)

 

2005/02/15

文芸春秋編集部が企画した、自ら書く自分自身の“死亡記事”。総勢 114人の自作死亡記事が集められた一冊です。

単行本で刊行された時、立ち読みしてこれは面白い!、読んでみたい!と思ったのですが、なんとなく読まないままになっていました。
文庫本化されたと知って、迷わず買い込んだものの、結果からいうとあまり面白くなかった。
立ち読みした時面白かったのは、当然のことだったのです。読んだのが阿川佐和子さんのページだったのですから。
阿川佐和子さんの死亡記事が格段に可笑しく、それに並ぶ程面白かったのは、ほんの僅かしかありません。大変は面白からず。
考えてみれば当たり前なのです。自分が興味ある人でなければ、そもそも知らず面白からず、おエライ人はそもそも面白くないのですから。

もっとも馬鹿馬鹿しかったのは、最後を飾った前・巨人軍オーナーの渡邉恒雄氏の死亡記事。毎年ウン十億円をかけて戦力増強を行った故に巨人軍は20連覇を達成し、26年間84歳まで監督を務めた長嶋茂雄氏が新設されたノーベル・スポーツ賞を受賞したなどというのは、何たる妄想か。
そんな妄想を膨らませているから、巨人はこんなにダメになったんだ、と言いたい。

作家から詩人、エッセイスト、学者、会社経営者、芸能人、政治家等々まで。殆ど知らない人が随分といるものです。

  


 

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