ブレイディみかこ著作のページ


1965年福岡県福岡市生、県立修猷館高校卒。保育士・ライター・コラムニスト。
音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、96年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務した後英国で保育士の資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始。2017年「子どもたちの階級闘争−ブロークン・ブリテンの無料託児所から」にて新潮ドキュメント賞、2019年「ぼくはエローでホワイトで、ちょっとブルー」にて第2回本屋大賞−ノンフィクション本大賞を受賞。

 


   

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ★★★
 The Real British Secondary School Days      本屋大賞−ノンフィクション本大賞


ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

2019年06月
新潮社
(1350円+税)



2019/09/05



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著者は、アイルランド人の夫と息子と3人で英国のブライトン在住。
“底辺託児所”で過ごした息子はカトリック系の名門小学校に進学しましたが、中学校進学が大きな転機に。
名門のカトリック系中学に進学するか、地元の公立
“元底辺中学校”に進学するか、その判断は息子の手に。そして息子氏は、果敢にも元底辺中学校への進学を選択するのです。
そして著者は冒頭の「はじめに」にて、
「中学生の日常を書き綴ることが、こんなに面白くなるとは考えたこともなかった」と記すことになるのです。

著者の言葉は誇張でも何でもなく、本当に面白い。
毎日、次々と驚くことばかり、まさに興奮尽きなし。明日は何が起きるのだろうかと、頁を繰る度にワクワクする程です。

ただ面白いというだけでなく、その中身が素晴らしい。
毎日問題にぶつかる度に息子氏が示す反応に、何と健やかな逞しさを感じさせられることか。
それらにおいて息子氏の抱く疑問もまた然り。
ただ、その疑問に適切な回答を示せる大人がいてこそ、子供は正しく育つのだ、という思いを新たにします。
(※ホント良い息子さんですよねぇ〜、惚れ惚れします)

しかし、移民が多い国、地域とはこんなにも問題、課題が多いことかと思います。普通に学校に通っているだけでも、様々な問題や疑問がいくらでも湧いてくるかのよう。
大人にとっても、とても為になるなぁ、と思える一冊です。

ひとつの枠にはまった考え方しかできない大人の、何と情けないことか、とも感じさせられます。だから大人もきちんと問題、課題に向かい合わねば。

一応、息子氏が中心軸ですが、ある時は息子氏に驚かされ、ある時は息子氏と一緒に疑問を感じ、共にあれこれ考えるという著者の姿勢もお見事。
小説以上に面白く、つい興奮させられ、時に感動尽きず、という掌篇的なノンフィクション。
是非、お薦めです!

はじめに/1.元底辺中学校への道/2.「glee/グリー」みたいな新学期/3.バッドでラップなクリスマス/4.スクール・ポリティクス/5.誰かの靴を履いてみること/6.プールサイドのあちら側とこちら側/7.ユニフォーム・ブギ/8.クールなのかジャパン/9.地雷だらけの多様性ワールド/10.母ちゃんの国にて/11.未来は君らの手の中/12.フォスター・チルドレンズ・ストーリー/13.いじめと皆勤賞のはざま/14.アンデンティティ熱のゆくえ/15.存在の耐えられない格差/16.ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとグリーン

         


     

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