マイケル・ファベイ著作のページ


Michael Fabey 軍事ジャーナリスト。2014年ティモシー・ホワイト賞受賞。

 


    

「米中海戦はもう始まっている−21世紀の太平洋戦争− ★☆
 原題:"THE POWER CLASH BETWEEN THE U.S. AND CHINA IN THE PACIFIC"  訳:赤根洋子




2017年発行

2018年01月
文芸春秋刊
(1800円+税)



2018/03/05



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南シナ海、西太平洋への支配欲を隠そうともせず、強引なやり方を通し続けることによって既成事実化してしまおうという中国。
それによってもたらされる危機は、今、もうそこにあります。

本書はそんな中国と、米国とのいつ衝突しても不思議ない危機的状況を、米国側の視点に立って、具体的な事象を重ねながら説明した一冊。

強引なやり方を押し通し、強弁を繰り返す。そんな我欲まるだしの姿勢に対して、良識を守ろうとする米軍は押される一方、という現実。
習近平率いる中国が、米国に競って中華帝国の再現を企てようとしているのは明らかですし、習近平氏個人についていえば皇帝並みの権力を手中にしようと目論んでいるのかもしれません。

本書で幾度となく現実に繰り返されている事象を知ると、現在もう既に危機的状況に至っていることを強く感じざるを得ません。
こんな事態は許されない、と広く感じるようになった時にはもう遅いのでしょうし、既に認識していないだけで憂慮すべき状況は既にもう目の前にある、というのが現実でしょう。

東西冷戦とは全く異質な、国際協調主義を無視して止まない新たな覇権主義との戦いが既に始まっている、そう認識すべきなのでしょう。
明日から新聞やTVの関連報道を見る目が、少し変わるような気がします。


序.米中が繰り広げる新たな戦争/1.中国空母<遼寧>に接近せよ/2.アメリカ一強時代の終わり/3.中国海軍の野望とトラウマ/4.海南島事件の衝撃/5.米軍艦見学ツアーへようこそ/6.緊急停止!/7.対中強硬派の逆襲/8.「空母キラー」がすべてを変えた/9.軍事要塞と化した南シナ海/10.ドラルド・トランプという選択

 


  

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