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「たぶらかし」 ★★ 小説すばる新人賞 | |
2012年03月 2013/08/11
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レンタルショップでふと見かけたのが、TVドラマシリーズらしい「たぶらかし」という作品。主役の冬堂マキを演じているのが私の好きな女優の一人である谷村美月さんであったことから借りて観てみました。 ORコーポレーションという事務所に所属する女優=冬堂マキが演じるのは、舞台やドラマの中ではなく、現実世界における誰かの代役。称して“代行女優業”という次第。 本書はそのTVドラマシリーズの原作。 TVドラマが毎回決着がつく事件もの仕立てになっているのに対し、原作は代行女優というマキの仕事を通じて現実のドラマを際立たせる長編ストーリィになっているところが大きな違い。またマキ自体も、TVでは20代のマキに対し原作でのマキは39歳で代行女優業の経歴も既に5年、でも事務所では最若手女優という設定です。 マキの他、事務所ボスの松平、創立メンバーで死体代役のパイオニアと呼ばれる老女優=本条クメ、マキを"師匠"と呼んでまとわりついてくる若手劇団俳優の水鳥モンゾウ等、いずれも曲者ぞろいで何が真実なのか虚構なのか読み手にしても掴み切れずといった風で十分楽しませてくれます。 |