宇津木健太郎
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1991年生、埼玉県越谷市出身。2020年「森が呼ぶ」にて第2回最恐小説大賞、24年「猫と罰」にて日本ファンタジーノベル大賞2024大賞を受賞。

  


       

「猫と罰 ★★       日本ファンタジーノベル大賞




2024年06月
新潮社
(1600円+税)



2024/07/10



amazon.co.jp

夏目漱石の出世作「吾輩は猫である」のモデルになったあの黒猫が、最後となる9つめの命(猫に九生あり)により復活。
その黒猫が行き着いた先は、摩訶不思議な古書店<
北斗堂>。
その店主は
北原恵梨香、一緒に暮らす4匹の猫たちから「魔女」と呼ばれる30代半ばの女性だった。

3つめの命の時、夏目家に受け入れられ漱石の猫となった黒猫、それ以外の命の時はずっと野良だったため、疑り深い性格。
猫にとって重要なのは“真名”なのだが、漱石、ついに名前を付けてくれなかった。そのため、密かに「
金之助」と自称。

北斗堂というのはどういう場所か。店主の北原恵梨香とは、北斗堂に住まう猫たちはどういう仔細を抱えているのか。
そうした謎と共に、北斗堂の常連だった本好きの小学生、
神崎円は高校生になってからすっかり様子が変わってしまう。
円に一体何があったのか。そして金之助は、そんな円を救うことができるのか。

上記を除けば、特にどうということもないストーリー。
とはいえ、漱石の猫が生まれ変わったと思うだけで何やら楽しくなります。
しかし、最後に登場する、すべての鍵を握る存在の正体は? これはもう本当に驚き。こんな存在の登場があるとは!

本ストーリーの持つ雰囲気を堪能しました。それが楽しい処。

           


  

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