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「猫と罰」 ★★ 日本ファンタジーノベル大賞 |
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夏目漱石の出世作「吾輩は猫である」のモデルになったあの黒猫が、最後となる9つめの命(猫に九生あり)により復活。 その黒猫が行き着いた先は、摩訶不思議な古書店<北斗堂>。 その店主は北原恵梨香、一緒に暮らす4匹の猫たちから「魔女」と呼ばれる30代半ばの女性だった。 3つめの命の時、夏目家に受け入れられ漱石の猫となった黒猫、それ以外の命の時はずっと野良だったため、疑り深い性格。 猫にとって重要なのは“真名”なのだが、漱石、ついに名前を付けてくれなかった。そのため、密かに「金之助」と自称。 北斗堂というのはどういう場所か。店主の北原恵梨香とは、北斗堂に住まう猫たちはどういう仔細を抱えているのか。 そうした謎と共に、北斗堂の常連だった本好きの小学生、神崎円は高校生になってからすっかり様子が変わってしまう。 円に一体何があったのか。そして金之助は、そんな円を救うことができるのか。 上記を除けば、特にどうということもないストーリー。 とはいえ、漱石の猫が生まれ変わったと思うだけで何やら楽しくなります。 しかし、最後に登場する、すべての鍵を握る存在の正体は? これはもう本当に驚き。こんな存在の登場があるとは! 本ストーリーの持つ雰囲気を堪能しました。それが楽しい処。 |