友井 羊
(ひつじ)作品のページ


1981年群馬県生、国学院大学文学部卒。2011年「僕はお父さんを訴えます」にて第10回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞。

  


     

「さえこ照ラス ★☆


さえこ照ラス

2015年05月
光文社刊

(1500円+税)

2018年05月
光文社文庫化



2015/07/07



amazon.co.jp

沖縄の法テラス(正式名称:日本司法支援センター)に所属する20代後半と若い女性弁護士の阿礼沙英子が、依頼された民事事件をバッタバッタと快刀乱麻の如く解決する連作ストーリィ。

「僕はお父さんを訴えます」で注目された友井羊さんですが、同書を読むに至らず、本作品が初読書。
昨年沖縄に旅行しすっかり沖縄が好きになったので、沖縄が舞台というところにまず惹かれました。それに加えて元々弁護士絡みのストーリイは好きですし。

主人公の阿礼沙英子は、元々東京の4大法律事務所に所属していた弁護士で、しかも若手エースと言われた存在。そんな彼女が何故沖縄の法テラスに所属することになったのかは不明のまま。
それでも、容赦ないセリフに頭脳のキレで、依頼人のために事件をなで切りにするかのような勢いでさささーッと解決してみせるストーリィは痛快です。
また、事件内容、ストーリィ展開に沖縄だからこその要素を絡ませているところも興味尽きません。

ストーリィは、法テラスに新しく入った事務員である大城の視点から語られます。鋭い沙英子と人が好く情に脆い大城というコンビの妙、シングルマザーの事務員=西村を加えた3人の取り合わせの妙も充分楽しめるところです。
ちょっと重たい作品の間に気楽に読むには格好の日常ミステリ。


オバァの後遺障害認定事案/軍用地相続の調停事案/モアイの相談/誘拐事件の国選弁護/ユタの証明/親権問題の調停事案/オジィとオバァの窃盗事件

 


  

to Top Page     to 国内作家 Index