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1.つまらない男に恋をして |
●「つまらない男に恋をして」● ★ |
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2003/11/19 |
麦子は、32歳の独身、税理士。一応キャリアウーマンながら、恋愛に縁がなかった為か、どうも男性関係にトラウマを抱えているらしい。ウツになることも度々、という主人公。 そんな麦子の相手は、定職もなく、夢みたいなことばかりを言っている京介。セックスの相性が良いからという理由だけで、ずっと関係が続いています。 その京介が、突然に金持ちの若い娘と結婚すると言い出したことから、麦子は逆上、1千万円を提供して京介を取り戻そうと、なりふりかまわず暴走始めます。 そんな麦子をとりまく女性陣は、作家の島屋滝子、その秘書・朝加、家政婦・下田、元クラブママの秋美、麦子の母親・登和という面々。対する男性陣は、京介、秋美の年下の夫、麦子の父親という3人。 男性陣は値踏みされるような存在に過ぎず、本作品はいみじくも女性陣からみた恋愛観のドラマ化、という様相です。 年下の朝加を除き、年長者4人はいずれも麦子の暴走を達観している風。恋愛はそもそも愚かしいものであって、だからこそ夢中にもなれる、ということか。 |
●「夜の電話のあなたの声は」● ★☆ |
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2007年02月
2004/03/12 |
30代の独身女性を主人公に、付き合っていた男性から突然別れを告げられた後の彼女たちを描く中篇3作。 一応結婚を意識していたものの心ならずも、あるいは9歳年下等の事情があったにもかかわらず、捨てられたということに対する彼女たちの憤りは深い。意固地になっているとしか思えない程、捨てた相手に固執し続けます。酒井エッセイにしたがうならば、質の悪い負け犬、といった風。 雨の夜にホテルへ/男のいない男の部屋で/夜の電話のあなたの声は |