鈴木清剛作品のページ


1970年神奈川県生、文化服装学院卒。97年「ラジオデイズ」にて第34回文藝賞、99年「ロックンロールミシン」にて第12回三島由紀夫賞を受賞。

 


 

●「消滅飛行機雲」● 




2001年8月
新潮社刊
(1300円+税)

2005年5月
新潮文庫化

 

2001/10/28

ラブ・ストーリィを中心とした7つの短篇集。
「ひかり東京行き」「麦酒店のアイドル」と、結構いけている短篇ラブ・ストーリィです。
ところが、「消滅飛行機雲」「怪獣アパート103号」「パーマネントボンボン」と進むうち、何がなんだか判らなくなってきます。何ナンダー、この作品、という気持ち。
「人生最良のとき」で再び気分を盛り返しましたけれど、結局、ラブ・ストーリィ以外の短篇についてはもう一つよく判らず、というところ。年代的な感性の違いかなぁということも、感じざるを得ず。

「ひかり東京行き」は、仕事が忙しくて恋人との時間もままならずという、男性側からみたラブ・ストーリィ。恋人曰く「パチンの三連発」という恋愛関係だとか。そんな主人公が、出張帰りの新幹線の中で隣り合った女性の携帯電話の様子から、自分の恋愛状況を思い返すという筋立て。如何にも現実にありそうな話であるところに惹かれます。
「麦酒店のアイドル」は、アルバイト先での憧れの女の子・咲月ちゃんと主人公が結ばれるまでのストーリィ。楽しさあり。
「人生最良のとき」は、表のストーリィと、そこに隠れているらしいラブ・ストーリィに魅力がある作品。幼い頃からの「自分の部屋」願望が強すぎて出社拒否にまで至る主人公と、従姉妹の有希江ちゃんとの関係の微妙さが魅力。

ひかり東京行き/麦酒店のアイドル/消滅飛行機雲/怪獣アパート103号/パーマネントボンボン/人生最良のとき/八月のつぼみ

 


  

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