白倉由美作品のページ


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65年生、千葉県出身、武蔵野女子大学文学部日本語・日本文学科卒。83年漫画家としてデビュー。96年漫画家としての活動を終わりにし、その後、ラジオ番組等のプロデューサー、小説家として活躍。

 


      

●「ゴーストベイビー」● 




2010年05月
講談社刊
(1700円+税)

 

2010/06/15

 

amazon.co.jp

う〜ん、何と言ったらいいかなぁ。

両親が海外へ出かけて行ってしまい、東京に出て一人暮らしを始めた高校生の主人公が、借りた一軒家で出会ったのは、可愛らしい幽霊の少女。しかも幽霊とは言いつつ、ちゃんと実体を備えている。そのうえ幽霊の少女は双子だった。
そして、もうひとつのストーリィが、上記ストーリィと関係あるのかないのか判らないまま、交錯するように語られていきます。そちらは双子の少女が主人公で、彼女たちはエクソシスト(悪魔祓い)らしい。彼女たちを狙う悪魔との運命的な闘いが繰り広げられます。

本書、ストーリィによってどういう場面が繰り広げられるのか、どういう画なのか。それを頭の中で想像しないと、まるで前に進むことができないストーリィ、という気がします。
その意味で(作者の白倉由美さんが元々漫画家だったという思いがある所為かもしれませんが)、小説の発想では生まれ得ない、漫画の発想だからこそ生まれ得る作品、と感じます。
入り組んだストーリィの上に、さらにそれが二重になっているという構成。まともにその複雑さを紐解き理解しようとすると、苦悶することになります。

結末を知ると何だそんなことだったのかと思います。また、それが結末ならもっと単純なストーリィでも良かったのではないか、と思います。
どんなストーリィなのかと頭を悩ませながら読んだのは、一体何だったのか、と思う次第。

        


   

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