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1.白バイガール 2.白バイガール−幽霊ライダーを追え!− 3.白バイガール−駅伝クライシス− 4.白バイガール−最高速アタックの罠− 5.白バイガール−爆走!五輪大作戦− 6.お電話かわりました名探偵です 7.白バイガール−フルスロットル− 8.お電話かわりました名探偵です2 |
1. | |
「白バイガール」 ★☆ | |
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「白バイガール」という題名と表紙絵からは、颯爽としたスピーディなアクション含みのストーリィを予想しますが、冒頭、その期待は裏切られます。 白バイ隊員としての業務に励む中で、お互いに試練にぶつかり、へこみながらも、お互いに切磋琢磨しつつ警察官としても人間としても成長していく辺りは青春もの成長ストーリィ。 要は、青春&成長ストーリィと、白バイ警察ものストーリィを併せて楽しむことができる軽快なストーリィ。 ※A分隊に属する隊員ひとりひとりが個性的で楽しき哉。 |
2. | |
「白バイガール−幽霊ライダーを追え!−」 ★☆ |
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ぽっちゃり系で感激屋、優れた動体視力を持つ主人公=本田木乃美と、クールな美人系で並外れたドライビングテクニックを持つ川崎潤という女子白バイ隊員コンビが活躍する、青春&お仕事&警察捜査ものストーリィ、「白バイガール」第2弾。 神奈川県警区域内で殺人事件が発生、現場に残された証拠品がバイク絡みのものであることから、捜査一課より白バイ隊に協力が求められます。 その一方、正体不明幽霊ライダーが出現。何とベテランの白バイ隊員を翻弄した末に振り切って逃げ切るという事態が発生。 潤、その両方にかつて潤にとってヒーローであったライダー・望月隆之介が関係しているのではないかと思い、単独で動き出しますが・・・・。 前作どおり、白バイという格好良さを全面に活かしたスリリングな展開に加えて、潤と木乃美という同期生コンビの絆の深まり、友情を描いて、青春系サスペンスに仕上がっているところが気持ち良く、楽しい。 さらなるシリーズ化を是非、期待したいところです。 潤はともかく、木乃美の伸びしろは極めて大ですから。 ※2人の周囲にいる同じA分隊の白バイ隊員、捜査一課の刑事たち、相変わらず賑わしいことです。 プロローグ/1st GEAR/2nd GEAR/3rd GEAR/4th GEAR/5th GEAR/Top GEAR/エピローグ |
3. | |
「白バイガール−駅伝クライシス−」 ★☆ |
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“白バイガール”シリーズ第3弾。 今回、小学恒例<箱根駅伝>の一部で川崎潤が、ランナー先導する役目を担う白バイ隊員に選ばれます。 一方、年末に起きた<七里ガ浜殺人事件>の犯人である暴走族のメンバーを逮捕するため、捜査一課より本田木乃美たち白バイ隊に協力依頼があり、隊員たちがその行方を捜します。 さらに、駅伝10区を走る初出場校ランナーの妹が誘拐されるという事件が起きます。その理由は何か? 箱根駅伝を中心軸にしつつ、白バイ隊員たちによる推理、逮捕劇が展開するストーリィ。 それ程ドラマチックな展開はありませんが、青春&お仕事小説+警察捜査ものというところが見逃せず、とくに白バイ隊員たちが白バイを駆って犯人を追い詰めていくというパターンが楽しい。 本書では、何故選手の妹が誘拐されたのか、殺人事件とどのような関連性があったのか、が読み処。 木乃美と潤、同期2人がお互いに励まし合って成長を遂げていくという展開も楽しめます。 その意味で、本シリーズ、まだまだ続きそうです。 プロローグ/1st GEAR/2nd GEAR/3rd GEAR/4th GEAR/5th GEAR/Top GEAR/エピローグ |
4. | |
「白バイガール−最高速アタックの罠−」 ★☆ |
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シリーズ第4弾。 本シリーズの楽しさは、神奈川県警第一交通機動隊みなとみらい分駐所A分隊の家族的な雰囲気にあるといって過言ではありません。 長いシリーズものになるには、こうした要素が欠かせないのだろうな、と改めて感じます。 さて冒頭、夢である箱根駅伝の先導役を目指し、本田木乃実は川崎潤のサポートを受けながら、全国白バイ安全運転競技大会の出場をかけた中隊競技会のため練習中。 でも木乃実、ライディングテクニック等交機隊員としての必要な総合的なスキルはもう、潤とどっこいどっこいというのが山羽班長の木乃実評。3年間の木乃実の成長ぶりが窺えて嬉しくなる部分です。 さて本巻、公道でマシンの限界まで飛ばす危険な“最高速アタック”動画のネット投稿、不審なひき逃げ、相次ぐバイクの窃盗と事件が相次ぎます。 一方、本巻でさざ波が立つのは、新加入の白パイ隊員=鈴木が先輩隊員である木乃実の指示を無視して勝手に行動するばかりか、木乃実を舐め切った言動をしきりとするところ。そのことに潤が度々いきり立ちますが、当の本人である木乃実は人が好過ぎるというか何というか・・・。 鈴木の存在、事件の真相というストーリィの主筋を別として、木乃実の成長ぶりが感じられ、ファンとして嬉しい巻になっています。 さわのみれいちゃん他、幼稚園児たちの木乃実への応援ぶりも微笑ましい。 1st GEAR/2nd GEAR/3rd GEAR/4th GEAR/5th GEAR/Top GEAR/エピローグ |
5. | |
「白バイガール−爆走!五輪大作戦−」 ★★ |
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シリーズ第5弾。 白バイの疾走感が魅力で、本シリーズから中々離れられません。 今回は、2020年東京オリンピックを前提にしたストーリィ。 白バイ隊員の元口が追った暴走バイクが、横浜駅前の人混みに突っ込むという惨事が発生。しかし、死亡したライダーの身元は一切不明。 元口が事故の責任を追及され自宅待機に。心配する木乃美、潤、鈴木が、元口の嫌疑を晴らそうと動き出します。 そこで3人が遭遇したのは、警視庁公安部の刑事だという塚本。 暴走事件の背後には、東京オリンピック阻止を図るテロ組織? 主人公である本田木乃美が、白バイ隊員としてすっかり安定した成長ぶりを見せていて、安心して見てられるという印象です。 仲間である川崎潤との息もぴったり合い、この2人は若々しい協力コンビですね。 今回は、そんな2人にまだまだ新米隊員の鈴木が纏わりついて邪魔臭いという感じですが、それもまた面白味なのでしょう。 終盤、木乃美の思い切った行動と、潤の息の合ったサポートに感嘆させられますが、またもやあの○○か!と思う処。 まぁ、それがあっての木乃美の魅力ですね。 1st GEAR/2nd GEAR/3rd GEAR/4th GEAR/Top GEAR |
6. | |
「お電話かわりました名探偵です」 ★☆ |
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Z県警本部の通信指令室。そこには、電話から得た情報のみから真相を見抜き、事件を解決する凄腕の指令課員がいた。 その人物は、千里眼を上回る洞察力を持つ故に<万里眼>と呼ばれていた。 主人公は、早乙女廉、24歳の男性警察官。通信指令室の勤務経験はまだ浅いところ。 その廉の隣に座るのが、4年先輩の女子=君野いぶき、28歳の巡査長。美人で小柄、そして幼い声の持ち主。 その君野いぶきこそが<万里眼>。何故か奇妙な電話ばかり受けてしまい、周囲から「引きが強い」と揶揄される廉を隣席に、と要望したのはいぶきだという。その狙いは? ・「家を盗まれた女」:イエが盗まれたという老女から警察への通報を依頼されたという、若い女性からの電話・・・。 ・「誰かが大根を食べた」:ラップをかけてしまっていた大根が1cm短くなっている、不安を感じる女性からの電話・・・。 ・「マンションに潜む幽霊」:マンションの上の階に幽霊がいると訴えてきた老女からの電話・・・。 ・「幻の落書き魔」:家の壁に突然、夫を誹謗する落書きが現れたという県会議員夫人からの電話・・・。 ・「人を呪わば」:女性が刺されて倒れているという、通りがかりの男性からの電話・・・。 日常ミステリに犯罪事件、何でもござれ、という感じですね。 ともかくも、警察の通信指令室、電話で話を聞いただけで、という趣向の面白さが魅力です。 1.家を盗まれた女/2.誰かが大根を食べた/3.マンションに潜む幽霊/4.幻の落書き魔/5.人を呪わば |
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「白バイガール−フルスロットル−」 ★☆ |
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シリーズ第6弾にして、最終巻。 本田木乃美の白バイ隊員としての成長を描いてきた本シリーズ、木乃美も相当に成長していますから、唐突には感じましたが納得できるところです。とはいえ、淋しく思いますが。 全国白バイ安全運転競技大会に、神奈川県警代表として出場が決まった木乃美、関東七都県の合同訓練の場で警視庁・他県警の女性白バイ隊員たちと顔を合わせます。 ところが、その内で優勝候補と目されていた隊員が事故? 一方、横浜でコリアンマフィア「凶龍」と暴力団「椿山組」との抗争に県警ということだけでなく、姜鐘泰という在日韓国人青年との出会いから個人的にも川崎潤が関わり合います。 本巻はその2つの事件を巡るストーリィ。 相変わらず、県警捜査一課の坂巻刑事も盛んに絡みます。 木乃美を中心とした女性白バイ隊員たちの活躍、分隊の仲間たちと協力して事件を追う展開、それぞれ楽しめます。 そして最終場面、やっぱりそうくるかァ! なお、競技大会の結果も気になるところですが、そこはやはり木乃美らしい、と言うか。 機会あればまた、木乃美や潤たちと出会いたいものです。 1st GEAR/2nd GEAR/3rd GEAR/4th GEAR/Top GEAR/エピローグ |
8. | |
「お電話かわりました名探偵です2−リダイヤル−」 ★☆ |
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「お電話かわりました名探偵です」の続刊。 ストーリィ構成、舞台設定は前作と同様です。 興味処を強いて挙げれば、主人公である新米指令課員=早乙女廉の、“万里眼”の異名をとる先輩指令課員=君野いぶきに対する恋心が自覚されるのか、進展する可能性があるのか、でしょう。 その点は、読んでのお楽しみに。 そしてもう一つ、「万里眼を出せ」と頻繁に通信指令室へあちこちの公衆電話から掛けてくる<出せ出せ男>の存在が登場。 その正体は、そして理由は? ・「宇宙人にさらわれた少年」:宇宙人に攫われUFOの中に監禁されているという少年からのSOS通報。一体何が? ・「撮り鉄に気をつけろ」:口煩い老人の盆栽を壊したのは、本当に撮り鉄たち? ・「おかしな訪問者」:老人宅を訪問した銀行員から、そこに住む老女が認知症かも?という通報。 ・「ひき逃げ犯は誰だ」:車に轢かれたと騒ぎ立てる老人へ、私が犯人と名乗り出たドライバーは3人。一体誰が? ・「お電話かわりました白馬の王子さまです」:廉にしきりと電話してくるキャバ嬢のミキから、知らない男に拉致監禁されたとのSOS。本当か? プロローグ/1.宇宙人にさらわれた少年/2.撮り鉄に気をつけろ/3.おかしな訪問者/4.ひき逃げ犯は誰だ/5.お電話かわりました白馬の王子さまです |