佐藤青南
(せいなん)作品のページ


1975年長崎県島原市生。熊本大学法学部に入学するが、途中で除籍。その後上京してミュージシャン活動。2010年「ある少女にまつわる殺人の告白」にて第9回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞し、作家デビュー。2016年「白バイガール」にて第2回神奈川本大賞を受賞。


1.白バイガール

2.白バイガール−幽霊ライダーを追え!−

3.白バイガール−駅伝クライシス−

4.白バイガール−最高速アタックの罠−

  


     

1.
「白バイガール ★☆


白バイガール

2016年02月
実業之日本社文庫刊

(593円+税)



2016/03/01



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「白バイガール」という題名と表紙絵からは、颯爽としたスピーディなアクション含みのストーリィを予想しますが、冒頭、その期待は裏切られます。
何しろ主人公の
本田木乃美(このみ)、箱根駅伝の先導をやりたいと白バイ隊員になったもののドジで弱気で、ついつい「ごめんなさい」を連発、いくら新人とはいえ頼りないことこの上ない白バイ隊員なのです。
その木乃美と対照的なのが、同じ隊でもう一人の女性隊員である
川崎潤。ドライビングテクニックは男性顔負けなのですが、強面で独断暴走的。
その2人が所属するのは、神奈川県警第一機動隊・・・A分隊。

白バイ隊員としての業務に励む中で、お互いに試練にぶつかり、へこみながらも、お互いに切磋琢磨しつつ警察官としても人間としても成長していく辺りは青春もの成長ストーリィ。
その一方、神奈川県下を騒がす連続強盗事件に2人が深く関わることとなり、ついにはA分隊あげての追跡ストーリィになるという展開は白バイ隊の面目躍如となる警察ストーリィ。

要は、青春&成長ストーリィと、白バイ警察ものストーリィを併せて楽しむことができる軽快なストーリィ。
アクション部分はやや物足りなさを感じるところもありますが、その代わりにチームワークの良さを味わえるところが魅力。そこはやはり白バイ隊ならでは、なのでしょう。

※A分隊に属する隊員ひとりひとりが個性的で楽しき哉。

    

2.

「白バイガール−幽霊ライダーを追え!− ★☆


白バイガール 幽霊ライダーを追え!

2017年02月
実業之日本社文庫刊

(648円+税)



2017/03/06



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ぽっちゃり系で感激屋、優れた動体視力を持つ主人公=本田木乃美と、クールな美人系で並外れたドライビングテクニックを持つ川崎潤という女子白バイ隊員コンビが活躍する、青春&お仕事&警察捜査ものストーリィ、白バイガール第2弾。

神奈川県警区域内で殺人事件が発生、現場に残された証拠品がバイク絡みのものであることから、捜査一課より白バイ隊に協力が求められます。
その一方、正体不明幽霊ライダーが出現。何とベテランの白バイ隊員を翻弄した末に振り切って逃げ切るという事態が発生。
潤、その両方にかつて潤にとってヒーローであったライダー・
望月隆之介が関係しているのではないかと思い、単独で動き出しますが・・・・。

前作どおり、白バイという格好良さを全面に活かしたスリリングな展開に加えて、潤と木乃美という同期生コンビの絆の深まり、友情を描いて、青春系サスペンスに仕上がっているところが気持ち良く、楽しい。
さらなるシリーズ化を是非、期待したいところです。
潤はともかく、木乃美の伸びしろは極めて大ですから。

※2人の周囲にいる同じA分隊の白バイ隊員、捜査一課の刑事たち、相変わらず賑わしいことです。

プロローグ/1st GEAR/2nd GEAR/3rd GEAR/4th GEAR/5th GEAR/Top GEAR/エピローグ

       

3.

「白バイガール−駅伝クライシス− ★☆


白バイガール 駅伝クライシス

2017年11月
実業之日本社
文庫刊

(593円+税)



2017/11/24



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“白バイガール”シリーズ第3弾。

今回、小学恒例
<箱根駅伝>の一部で川崎潤が、ランナー先導する役目を担う白バイ隊員に選ばれます。
一方、年末に起きた
<七里ガ浜殺人事件>の犯人である暴走族のメンバーを逮捕するため、捜査一課より本田木乃美たち白バイ隊に協力依頼があり、隊員たちがその行方を捜します。
さらに、駅伝10区を走る初出場校ランナーの妹が誘拐されるという事件が起きます。その理由は何か?

箱根駅伝を中心軸にしつつ、白バイ隊員たちによる推理、逮捕劇が展開するストーリィ。

それ程ドラマチックな展開はありませんが、青春&お仕事小説+警察捜査ものというところが見逃せず、とくに白バイ隊員たちが白バイを駆って犯人を追い詰めていくというパターンが楽しい。

本書では、何故選手の妹が誘拐されたのか、殺人事件とどのような関連性があったのか、が読み処。

木乃美と潤、同期2人がお互いに励まし合って成長を遂げていくという展開も楽しめます。
その意味で、本シリーズ、まだまだ続きそうです。

プロローグ/1st GEAR/2nd GEAR/3rd GEAR/4th GEAR/5th GEAR/Top GEAR/エピローグ

   

4.

「白バイガール−最高速アタックの罠− ★☆


白バイガール 最高速アタックの罠

2019年04月
実業之日本社文庫

(685円+税)



2019/05/06



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シリーズ第4弾。
本シリーズの楽しさは、
神奈川県警第一交通機動隊みなとみらい分駐所A分隊の家族的な雰囲気にあるといって過言ではありません。
長いシリーズものになるには、こうした要素が欠かせないのだろうな、と改めて感じます。

さて冒頭、夢である箱根駅伝の先導役を目指し、
本田木乃実川崎潤のサポートを受けながら、全国白バイ安全運転競技大会の出場をかけた中隊競技会のため練習中。
でも木乃実、ライディングテクニック等交機隊員としての必要な総合的なスキルはもう、潤とどっこいどっこいというのが
山羽班長の木乃実評。3年間の木乃実の成長ぶりが窺えて嬉しくなる部分です。

さて本巻、公道でマシンの限界まで飛ばす危険な
“最高速アタック”動画のネット投稿、不審なひき逃げ、相次ぐバイクの窃盗と事件が相次ぎます。
一方、本巻でさざ波が立つのは、新加入の白パイ隊員=
鈴木が先輩隊員である木乃実の指示を無視して勝手に行動するばかりか、木乃実を舐め切った言動をしきりとするところ。そのことに潤が度々いきり立ちますが、当の本人である木乃実は人が好過ぎるというか何というか・・・。

鈴木の存在、事件の真相というストーリィの主筋を別として、木乃実の成長ぶりが感じられ、ファンとして嬉しい巻になっています。
さわのみれいちゃん他、幼稚園児たちの木乃実への応援ぶりも微笑ましい。

1st GEAR/2nd GEAR/3rd GEAR/4th GEAR/5th GEAR/Top GEAR/エピローグ

  


  

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