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「透明なルール」 ★★☆ | |
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主人公は、中二の佐々木優希。母親が小四の時に病気で死去し、今は父親との二人暮らし。 自己評価が低く、学校では目立つことがないよう、自分らしさを抑えて過ごしている。 しかし、名門と言われる中高一貫校から転校してきた米倉愛がふと放った、「クラスに35人いれば、35通りの心がある」という言葉に衝撃を受けます。・ そして、運動も、人前に立つのも苦手という同級生で同じ生徒会役員の荻野誠、それでも彼は自分を偽ろうとはせず、いつもマイペース。 そんな二人と触れあったことで、優希の心にも変化が生じていきます・・・。 今の中学生たち、グループに入れてもらえないと学校生活がツライ、だから仲間たちに合わせようとする、という気持ちはわかるなぁ。 本作では、“同調圧力”という言葉で語られています。 でもそれを超えて、見えないルールを自ら作ってしまい、自分で自分を縛り付けてはいないだろうか、というのが本ストーリーのテーマです。 自分らしさを出せず、我慢してばかりだったらこんなに辛いことはありません。 伸び伸びと自分らしく成長して欲しい、そういう作者の願い、エールが籠められた作品。 お薦めです。 ※本作に登場する北側という中年男性教師、なんて時代錯誤的な人間かと笑えるほど。一方、優希たちクラスの担任で、教師二年目の女性=辛島、彼女の突然の告白には驚かされました。 |