佐野広実
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1961年神奈川県横浜市生、横浜国立大卒。私立中高の国語教師や業界誌編集者の傍ら、99年に島村匠名義の「芳年冥府彷徨」にて第6回松本清張賞を受賞し作家デビュー。2020年「わたしが消える」にて第66回江戸川乱歩賞を受賞し、佐野広実として再デビュー。

  


       

「サブ・ウェイ Sub-way ★★   


サブ・ウェイ

2024年09月
PHP研究所

(1800円+税)



2024/10/06



amazon.co.jp

東京の地下鉄に試験導入された私服の車内警備員、それに応募して警備員となった穂村明美を主人公とした連作風ストーリー。

実は大学生だった2年前、恋人だった
的場要一が地下鉄構内で何者かに殴り倒され、後頭部を打って死に至るという事件が発生。
事件後の2年間呆然自失状況だった明美が車内警備員に応募したのは、業務遂行の中で犯人を探し出すことができるかもしれないという思いから。

各章、明美や、飲み仲間となった女性警備員3人が遭遇する、様々なトラブルについて語られて行きます。
その一方で、五反田署で要一殺害事件の新担当者となった
中窪由紀子による再捜査が進み始めます。

地下鉄構内の事件、トラブル解決+的場要一殺害事件の探索、という構図ですが、私としては私服車内警備員のお仕事小説として読んだ、という気持ちです。
また、そうした観点で読んだ方が、本作は面白いと思います。


「誰を探していますか」:小二の女児が行方不明・・・。
「誰が見捨てたのですか」:車内に骨壺の忘れ物?
「誰の命令ですか」:構内コンビニで万引き被害・・・。
「誰が悪いのですか」:明美、構内トイレで赤ん坊を発見。
「誰を信じますか」:要一殺害事件が進展?
「あなたは誰ですか」:強盗犯が地下鉄で逃走・・・。

1.誰を探していますか/2.誰が見捨てたのですか/3.誰の命令ですか/4.誰が悪いのですか/5.誰を信じますか/6.あなたは誰ですか

           


  

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