沖田 円(えん)作品のページ


愛知県安城市出身。2012年「一瞬の永遠をキミと」にて作家デビュー。15年スターツ出版文庫の創刊ラインナップの一冊である「僕は何度でも、きみに初めての恋をする。」が累計24万部を突破しコミカライズ。18年「千年桜の奇跡を、きみに〜神様の棲む咲久良町〜」(原題:咲久良町シンフォニー)にてポプラ社ピュアフル小説大賞・金賞を受賞。

 


                   

「喫茶とまり木で待ち合わせ ★★


喫茶とまり木で待ち合わせ

2022年09月
実業之日本社

(1600円+税)



2022/10/14



amazon.co.jp

初めて読む作家さんなのでどうだろう?と思っていたのですが、予想以上に気持ちの良い味わいを堪能できる連作ストーリィでした。

「きみのとまり木」はプロローグ。小四時、男の子と女の子の出会いの一コマ。さて、それがどう後へ繋がっていくのやら。
「家族写真」真由美・39歳。仕事と家庭の両立ができず5年前に離婚。月に一度<喫茶とまり木>で娘と会うが、母親としてどう振る舞ったらいいのか分からない・・・。
「コーリング・ミー」高校生の駆(かける)はビーズアクセサリーを作るのが趣味。刺繍作家である羽須美さん・75歳と毎週<とまり木>で落ち合っては互いの作品を見せ合っている。でも友人に自分の趣味を隠している・・・。
「蜃気楼の彼女」朱音・26歳、平凡で退屈な人間と自分で分かっている。それなのに目立つ存在だった夏帆と、何故友達になれたのだろう・・・。
「一輪の花へ花束を」朔太郎、4年半勤めた会社を退職しニート中。そんな折に便利屋の兄から頼まれた仕事は、若い女性からの依頼で彼女と一週間一緒に生活すること。その女性というのが何と・・・。
 
「僕らのとまり木」仕事を失い恋人も失った数馬。死のうと思いながら偶々入った<とまり木>、オーナーは何と高校の同級生だった。
本連作ストーリィを総括するような内容の篇。何であれ、奇跡的な再会は嬉しいものですし、素敵です。
 
なお、店の名前である<とまり木>、居場所が見つからなかったり疲れたりしている人に、羽を休められる場所を提供したい、というコンセプトからの命名らしい。

0.きみのとまり木/1.家族写真/2.コーリング・ミー/3.蜃気楼の彼女/4.一輪の花へ花束を/5.僕らのとまり木

        


   

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