学校教師である主人公が偶然にも出会ったのは、何と白いコートを着たネズミ。それも二本足で立ち、人間の言葉を話す。
そのネズミ曰く、自分は学校ネズミなのだと。ノネズミやドブネズミと違い、学校に住むから“学校ネズミ”。学校に住み暮すうち、いつの間にか人間に似てしまったのだという。
しかし、かつて大勢いたこの学校ネズミも、もはや彼一人。
学校ネズミはみなすぐれた語り手だった。皆から伝えられた話を、是非聞いてほしいと頼まれる。
話を聞かせるのは毎週月曜日、主人公の仕事が終った後。すなわちこれは、“放課後の時間割”という次第。
学校ネズミというキャラクターもユニーク。そして彼の語る、いろいろな学校ネズミたちのお話が、どれも楽しい。計13話。
その中でもファンタジーなものだったり、とりわけユーモラスだったりする、次の話が私のお気に入りです。
・「しゃっくり−一年生ネズミの話−」
・「手の中のもの、なあんだ?−夜警員室ネズミの話−」
・「なみだのあな−三年生ネズミの話−」
・「すると、雪がふりだした−四年生ネズミの話−」
・「すけだち−五年生ネズミの話−」
|