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| 「宝石のこえ」 ★★☆ 小説現代長編新人賞 | |
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主人公が中学二年生の頃、地球に宇宙人がやってきた。 その<宇宙人の店>で働くことを条件に給付される特別な奨学金制度のおかげで、恵まれない家庭育ちにもかかわらず、主人公は都会に出て予備校→大学進学を果たすことができました。 その宇宙人の店で何をするかというと、文章の音読。 じつは宇宙人、言語が廃れ、イメージを直接やりとりすることでコミュニケーションをとっている。 そんな宇宙人にとって人の声は快感をもたらすらしい。その音に満足した時、宇宙人は宝石のような物質を吐く。 宇宙人との関わりを描いたSF小説かと思うところですが、宇宙人のことは舞台設定あるいは背景に過ぎず、ストーリーの核心は主人公の成長譚にあります。 母親には恵まれませんでしたが、彼女が道を失うことなく成長できたのは、彼女を扶ける大人、彼女を支える友人たちが代わる代わる現れてくれたおかげ。そして今は、了一という心優しい恋人がいる。 ストーリーは、主人公のこれまでと現在の生活が、並行して交互に描かれるという構成です。 透明感のある文章、ストーリーが心地良い。 特にこれといった大きなドラマはありませんが、淡々と、でも着実に歩んでいく彼女の姿に、知らず知らず魅了されています。 しかし、結末には、仰天。 こんなのって、あり? 結局それは、主人公の挑戦=成長がこれで<上がり>ではなく、まだまだ進行中なのだ、ということを強く印象づけられます。 透明感あり、新しい味わいを感じる作品、お薦めです。 それにしてもこの結末はなぁ・・・。 |