中野独人作品のページ


“中野独人”とは「インターネットの掲示板に集う独身の人たち」という意味の架空の名前。

  


 

●「電車男」● ★★☆

 

 

2004年10月
新潮社刊

(1300円+税)

2007年01月
新潮文庫化

  

2004/11/03

 

amazon.co.jp

電車内で暴れる酔客から若い女性を守ったところ、彼女からお礼の手紙を受け取った、ゲームオタクの青年、21歳。
彼女にほのかな恋心を抱くもののどうしていいか判らない彼は、ネットの“2チャンネル”掲示板に助けを求めます。
そんな彼(通称:電車男)と、彼を応援して様々なアドバイスを送るネット上の仲間達が織り成すラブ・ストーリィ。

架空の小説なら今更どうということもないのですが、実際にネット上に書き込まれたやりとりを一冊にまとめたのが本書。そんなことが起ころうとは! 新鮮な驚きがあります。
そして中身は、ネット上さながらに本文は横書きのうえ、ネット隠語が入り乱れ、文字絵も盛んに登場します。
しかし、そんな外観の下にあるのは、オタク青年の純朴なラブ・ストーリィ。デート時にどんな服装、どんな会話をしたらいいんだと悩む彼に、仲間たちが盛んにアドバイスを送り、デート結果を待ち受け、皆が彼と一緒になって一喜一憂します。
女性に臆病だった電車男がすっかり変身していく辺りも見ものですが、それよりも大勢がひとつの仲間となって一体感をふくらませていく様が楽しい、嬉しい。
電車男エルメス子の現代ならではの恋物語。このリアルな臨場感はちょっとそこいらの小説では得られないものです。
ものは試し、是非お薦めです。

Mission1.緊急指令「めしどこか たのむ」/2.「ちゃんと掴んでますから」/3.彼女はそっと俺の手を引く/4.このカップを使う時が来た/5.「あんまりその気にさせないで下さい」/6.「奇跡の最終章」/後日談「こんなに頑張ってたんだ・・・」

※ 映画化 → 「電車男

   


  

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