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1.雷蔵好み 2.武蔵野倶楽部 |
●「雷蔵好み」● ★★ |
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2006年07月 2005/08/21
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市川雷蔵というと、当たり役は「忍びの者」「眠狂四郎」というヒットシリーズというのが精々私の知るところで、「眠狂四郎」と言ったら市川雷蔵を超えるものはいないというのが私のファンである理由に過ぎません。 村松さんが語るには、「雷蔵のように役によって異なった個性を次々出していく俳優は、今日ではあまり見当たらなくなった」、「雷蔵は一人の役者がさまざまな役をこなすという歌舞伎役者の歌舞伎の舞台におけるスタイルを、映画のスクリーンの中でもそのまま踏襲した、まことにめずらしい歌舞伎出身の役者」である点が、雷蔵の他にない魅力だといいます。 本書には市川雷蔵のスナップ写真が何枚も収録されていますが、「狂四郎」とはまるで異なる明るい表情をみると、えっ、市川雷蔵の実像はこんな人だったのかと驚くほどです。それだけに本書で市川雷蔵その人を知ることができたのは、嬉しいこと。 市川雷蔵という人をもっと知りたいと思ったら、まずは本書を読んでみることをお薦めします。 プロローグ:いまなぜ雷蔵なのか/出自から/養子縁組/市川雷蔵の誕生/歌舞伎から映画へ/現場における雷蔵/トップ・スターの座/全盛期の大映京都/雷蔵まんだら/煩悶/狂四郎あそび/不吉な翳り/エピローグ:雷蔵好み 【市川雷蔵】 |
●「武蔵野倶楽部」● ★★ |
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2007/12/03
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落ち着いた会話と交わりに、ゆったりとした安らぎを味わえる短篇集。 吉祥寺、神楽坂、金沢、神戸、一ノ関、札幌という6つの街の、ひっそりとした店での交わり、会話。 なお、「浅野川」「夜の神父さん」は、他4篇とちと趣きを異にする篇。そんな2篇が入り込むのも、本書の味わいを広げてくれていて好いと思います。 武蔵野倶楽部/あかぎ坂/浅野川/キリストの涙/リターン・トゥ・センダー/夜の神父さん |