人前で話すことが苦手、というより怖いと言った方がいい、小学4年生の野中暁音(あかね)。
担任のクマ先生は人気者だが、暁音が困ったことに日直当番最後のる日には皆の前でスピーチをするというルールを決める。
さぁどうしよう、できない、と暁音が恐怖に震えていたところを助けてくれたのは、関西からの転校生=三島朔太郎。
どうするのかと見守っていたら、皆の前で落語をやり出し、拍手喝采を得る。
自分にもできるだろうか、と思ううち、暁音も落語の練習をすることに。
ところが三島に取り込まれていると親友の堤初音から誤解された暁音、初音との関係がギクシャクして・・・・。
人前でうまくしゃべるのは難しいという暁音の悩みから始まり、自分の思っていることをきちんと相手に伝えることは誰にとっても難しいという問題に繋がっていくストーリィ。
暁音、朔太郎、初音という三角関係。テンポよく軽快にユーモラス、それと同時に渦中の子供たちにとっては深刻な問題、という風にストーリィが語られていきます。
自分にはできないと決め込んでいたことも、挑んでみればできるかもしれない。そしてそれは、新しい扉を自分に開けることに繋がる。
小気味よくて温かな小学生の成長ストーリィ。楽しいですよ。
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