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「図書館ホスピタル」 ★☆ |
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評判の良い病院内に設けられていた、これもまた患者たちに評判の良かった図書室。しかし、高齢の院長が死去したことで病院は閉院が決まり、図書室も・・・。 しかし、その跡には院長の遺言により私設図書館が建てられ、その図書館利用者はそこで今も癒しを得られることがあるという。という訳で、人呼んで“図書館ホスピタル”。 本作は、プロローグから27年後の物語。 主人公は、元柔道部で元気だけが取り柄という元木悦子、22歳。 どこからも就職内定が取れずもはやフリーター確定かと覚悟しかけた時に叔母から紹介されたのが、埼玉県央で田んぼの真ん中に立つ、本ストーリィの舞台である“しらはね図書館”。 そこから、悦子がそれなりに仕事を覚え、本を読むという喜びを知り、利用客を元気づけることに成功する、といったお仕事&悦子のちょっぴり成長ストーリィが展開していきます。 特にどうこう言う格別なストーリィではありませんが、良い本に囲まれた場所、心穏やかでかつ本好きそうなスタッフたちに囲まれているという環境は、ストーリィを読んでいるだけで居心地がよく、楽しい気分になってきます。 それ故、本書一冊だけで終わってしまうのは、折角なのになァ、勿体ない、という気持ちになります。 ※なお、ストーリィ中、河出書房刊行のグリーン版世界文学全集の名前が出てきたことは、懐かしく、嬉しかったです。 プロローグ/図書館ホスピタル/目録アドミット/閲覧メディケーション/所在調査オペレイション/幽霊ディスチャージ |