|
|
|
|
●「プライド」● ★☆ |
|
2012年09月 2010/05/22
|
民主党の事業仕分けパフォーマンス、期限切れの食材を使って平然とコスト圧縮する老舗菓子メーカー等々、現代日本で話題となった実際の事例を題材に描いた、社会派小説短篇集。 ニュースでも注目を集める事柄だけに、それなりに面白いのですが、プライドという要素が鍵になっているところが本書のミソ。 プライド=自尊心、つまりその基軸は自分自身にある訳で、重要なのは自尊心ではなく、その人物の識見なのだろうと思います。 本短篇集で描かれているストーリィ、それ程衝撃的な内容はありませんが、総じて感じるのは、プライドはないのか!という作者からの強いメッセージ。 なお、本書中痛快なのは、生半可な知識を振りかざして事業仕分けをしようとする議員たちを向こうに回し、自ら進める政策の重要性を堂々と主張する官僚=米野太郎57歳の姿を描いた「一俵の重み」。このストーリィを痛快と感じたことに、私自身、事業仕分けパフォーマンスを必ずしも諒としていなかったことに気付きました。 一俵の重み/医は・・・・・/絹の道/プライド/暴言大臣/ミツバチが消えた夏 |