2000年10月
新潮社刊
(1500円+税)
2001/01/18
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丸山さんの本を読むのは本書が初めてだったのですが、まず驚きました。こんな作家がいるなんて!という思い。
今まで私が見知っていた文学世界、小説世界、作家たちを、丸山さんは敢然と否定します。これまでとは全く違った風景が、眼前にぱっと広がったよう。さしずめ、はるか地平線まで広がった一面の荒野、という印象です。
本書は、丸山さんの半生を振り返ることと、これからの覚悟を改めて表明した一冊のようです。
生きる意味はどこにあるのか、真の生者となってこそ生きる意味がある、「真の生者」とは権威や集団に屈せず、個人の自由・自立を激しく追求する気性の持主.... 最初から激烈です。文章からして、とても攻撃的であることに驚きます。
ただ、丸山さんの学校時代からの軌跡をずっと読むため、そうした攻撃性も一貫した生き方の一部に過ぎないことが判ります。目の前に在るものが何であれ、すべて蹴倒して突き進もうとする精神の凄さ、そして孤高を貫こうとする徹底さには、圧倒されます。丸山さんの気概に押され、押しまくられ、ただただ、付き従って読み通したのみ、という気がします。
何時のことになるか判りませんが、丸山さんの長編を読んでみようと思います。
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