小島英記作品のページ


1945年福岡県八女市生、早稲田大学政経学部政治学科卒。日本経済新聞社の記者を経て作家。

  


 

●「孤舟沈まず」● 




2008年04月
日本経済新聞社刊

(1900円+税)

2008/08/26

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新陰流正統二世であり、柳生新陰流の開祖となった柳生宗厳(石舟斎)の生涯を描いた時代歴史小説。

かなり地味な作品です。地道に柳生石舟斎という人物を一歩一歩描いていったという印象を受けます。
その分、小説としての面白さ、魅力には欠けると言わざるを得ません。
ただし、この石舟斎という人物自体、信長らが争った乱世の中にあって新陰流を極めたいと言って隠遁し、乱世から一歩身を引くという道を歩んだだけに、地味となるのは致し方ないことかもしれません。
剣の達人を語るうえで除くことはできない人物ながら、今まで常に脇役で主人公成り得なかった理由が納得できる気がしました。

なお、新陰流という流派を題材にした小説として津本陽「柳生兵庫助がありますが、こちらも地味な作品。でも新陰流正統三世を継いだ柳生兵介(利厳)という人物にまだ魅力があった分、面白く読めた印象が残っています。

 


  

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