石田香織作品のページ


1976年兵庫県生、神戸市在住。会社勤務の傍ら96年より森田雄三創作塾にて創作を学ぶ。2017年「きょうの日は、さようなら」にて作家デビュー。

 


                   

「きょうの日は、さようなら ★☆


きょうの日は、さようなら

2017年07月
河出書房新社

(1400円+税)



2017/08/04



amazon.co.jp

親同士が互いに子連れで再婚、キョウコスミレという母親とキョウスケという1歳上の兄を持つことになった。
スミレは我が娘のようにキョウコを可愛がり、そしてキョウスケとキョウコの2人は実の兄妹のように仲良くなった。
しかし、やっと得られた平凡だけど幸せな家族風景は、突然に終わってしまう。
喪失感を抱えたまま成長し、就職して一人暮らしを始めたキョウコは、突然かつ偶然にキョウスケと再会します。
大人になったキョウスケは、すっかり「あかんたれ」になっていた・・・・。

かつて兄妹だったという関係と、お互いに大事な人に去られたという喪失感を共有する2人は、兄妹というよりむしろ同胞といった絆で結ばれていたのではなかったか。
しかしそれでも、キョウコとキョウスケでは大きな違いがあります。たとえ小さな会社であってもキョウコは正社員として勤務しているのに対して、キョウスケは極めつけのあかんたれであったのですから。

・とにかく、2人の心に深く巣くう切なさに胸打たれます。
・一方、2人の母親だったスミレという女性の人物像が、最後まで不明瞭なまま。
・そして、周辺人物のキャラクターに、今一つ必然性が感じられず。

最初、そして最終場面での情景は心に残りますが、今一つ物足りなさが同時に残ります。

        


   

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