犬飼六岐
(ろっき)作品のページ


1964年大阪府生、大阪教育大学卒。公務員を経て2000年「筋違い半介」にて小説現代新人賞を受賞し作家デビュー。

  


     

「鷹ノ目 


鷹ノ目

2015年04月
文芸春秋刊

(1550円+税)

 


2015/05/12

 


amazon.co.jp

西部劇によく登場した賞金稼ぎ、その時代小説版。時代設定は、信長と義昭が争いを続けている頃です。
どうかなァとは思っていたのですが、読んでみた感想を率直に言わせてもらえば、余り面白いとは言えず。

主人公は渡辺条四郎、賞金をかけた手配書である“勧文”をめくっては、これならと思う犯人を追って捕縛、賞金を手にするという商売。今では「鷹ノ目」という異名を持つまでになった賞金稼ぎ。
賞金稼ぎと言えば、家族も持たない孤独なアウトローというイメージなのですが、この条四郎、親兄弟もいればれっきとした家もある。それなのに賞金稼ぎとなったのにはそれなりの事情があり、それが後半ストーリィの重要な鍵になっています。

とはいえ、あまり面白くないと感じた理由は、ストーリィ展開が歯切れ悪く、結末に充実感がないこと、主人公にいつも油断があってこれで大丈夫なのかと案じてしますキャラクターであること。
ハードボイルドのような凄みはとても無く、かといって
藤沢周平“用心棒日月抄”シリーズのようなユーモア感もない、つまりは中途半端に終わっている、と感じざるを得ず。

生死を問わず/人質/密使の太刀/闇の模様/追手と追手/死の谷/闇の一閃

 


  

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