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1.ノボさん-小説 正岡子規と夏目漱石- 2.琥珀の夢-小説 鳥井信治郎- |
「ノボさん-小説 正岡子規と夏目漱石-」 ★★☆ 司馬遼太郎賞 | |
2016年01月
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俳句、短歌等々、日本の近代文学創成期に大きな足跡を残し、36歳という若さで亡くなった正岡子規の青春風景を、夏目漱石との友情と絡み合わせて描いた逸品。 冒頭、親しい友らに声を掛けられながら、夢中になってしまったべーすぼーる(野球)の試合に向かおうとする“ノボさん”こと正岡子規の姿から書き起こされます。 そのノボさんが首席をとった秀才として知り合ったのが夏目金之助、後の漱石。 後半、病床に倒れた子規の苦しみ様は痛ましい限りですが、事実である以上そうした光景も仕方ないこと。それでも正岡ノボさんという爽快な青年像が曇らされることはありません。 ノボさんどちらへ? べーすぼーる、をするぞなもし/初恋の人、子規よどこへでも飛べ/漱石との出逢い。君は秀才かや/血を吐いた。あしは子規(ほととぎす)じゃ/漱石との旅。八重、律との旅/鷗外との出逢い。漱石との愉快な同居/子規庵、素晴らしき小宇宙/友は集まる。漱石、ロンドンへ/子規よ、白球を追った草原へ帰りたまえ |
2. | |
「琥珀の夢-小説 鳥井信治郎-」 ★★ |
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2020年06月
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本作は日本経済新聞の朝刊に連載された小説の単行本化。 毎朝、読むのが楽しみでした。 「やってみなはれ」がモットーのサントリー、その創業者である鳥井信治郎の、まさに怒涛のような人生を描いた長編。 大阪の商店で次男として生まれた鳥井信治郎、13歳で丁稚奉公したのを皮切りに、やがて独立して鳥井商店を興し、葡萄酒、そして国内初のウィスキー製造販売に挑戦していきます。 冒険ともいえる事業に挑戦していく姿、人と人の繋がり、社員を家族のように大事にする精神、それは現代から見ても斬新のように感じられます。 信治郎の何事にも勇気を奮って、大胆に挑戦していく姿、そして事業が成長していく過程を描いた本ストーリィは、興味津々、面白さ尽きません。 本作からは、鳥井信治郎という事業家の度量の大きさに忘れ難い思いを覚えます。 口先ではなく行動でそれを示したところが、鳥井信治郎という人物の見事さにあったと思います。 日本に洋酒文化が広まっていく過程、歴史を読むという部分だけでも十分面白い。 “サントリー・オールド”というウィスキーは、我々世代では定番のお酒だっただけに、ストーリィにやっと登場した時には、思わず胸が小躍りするような気分でした。 |