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1.退出ゲーム−"ハルチカ"シリーズNo.1− 2.初恋ソムリエ−"ハルチカ"シリーズNo.2− 3.空想オルガン−"ハルチカ"シリーズNo.3− 4.千年ジュリエット−"ハルチカ"シリーズNo.4− 5.惑星カロン−"ハルチカ"シリーズNo.5− 6.ひとり吹奏楽部−"ハルチカ"シリーズ番外編− |
●「退出ゲーム」● ★★ |
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2010年07月
2008/12/04
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高校を舞台にした連作もの青春ミステリ。 主要キャラクターの個性がはっきりしていて、小気味良いテンポでストーリィが進む。したがって気持ち良く読めるのですが、3人のキャラクターが際立ち過ぎているという観があって、それ故にストーリィ展開にやや強引な印象が残ります。その点がちと惜しまれるところ。
・「結晶泥棒」は学園ミステリとしてまずまず。導入部となる冒頭を飾るには相応しく、軽快な篇。 全体として、スピーディで小気味良く、それなりに楽しめる青春ミステリであることは間違いありません。 結晶泥棒/クロスキューブ/退出ゲーム/エレファンツ・ブレス |
●「初恋ソムリエ」● ★★ |
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2011年07月
2009/10/24
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「退出ゲーム」続編となる、高校青春+ミステリもの連作短篇小説。 高校の弱小吹奏楽部に所属する穂村千夏(チカ)と、その幼馴染である上条春太(ハルタ)、吹奏楽部の甲子園と評される「普門館」出場を目指して、新入部員募集に躍起となっているところ。 学園青春もの、という点では物足りないところ多々あると思います。一方、ミステリという点でもやはり今一歩。 ・「スプリングラフィ」は、プロのクラリネット奏者を目指している筈の芹澤直子は、何故吹奏楽部の部室を朝早く覗いていたのか。 スプリングラフィ/周波数は77.4MHz/アスモデウスの視線/初恋ソムリエ |
●「空想オルガン」● ★☆ |
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2012年07月
2010/09/19
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高校の弱小吹奏楽部を舞台にした青春ミステリ、“ハルチカ”シリーズ第3弾。 主人公の“ハルチカ”こと穂村千夏(チカ)&その幼馴染=上条春太(ハルタ)、指揮者としての将来を嘱望されていたという顧問の草壁信二郎先生に、オーボエ奏者の成島美代子、サックス奏者のマレン・セイ、打楽器奏者の檜山界雄が吹奏楽部に加わった他、クラリネットのプロ奏者志望にてアンチ吹奏楽部という芹澤直子も仲間に加わり、高校青春ミステリという舞台設定はすっかり整った観のあるこの本書ですが、肝心のハルタの推理に小気味良さが感じられないのが残念なところ。 本書で、清水南高校吹奏楽部はいよいよ小編成B部門のコンクールに出場。地区大会、県大会、東海大会へと、各篇ごと順調にハルチカたちが勝ち上がっていく様子が描かれます。 ・「ジャバウォックの鑑札」は、地区大会の最中迷子の犬を見つけた春太、飼い主だと名乗り出た2人を前にどう解決するか。 序奏/ジャバウォックの鑑札/ヴァナキュラー・モダニズム/十の秘密/空想オルガン |
●「千年ジュリエット」● ★☆ |
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2013年11月
2012/04/18
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高校吹奏楽部を舞台にした青春ミステリ、“ハルチカ”シリーズ第4弾。 ・「エデンの谷」は、南高に突如現れたスナフキン、いや吹奏楽部顧問である草壁先生の恩師であった名フルート奏者=山辺富士彦の孫娘、山辺真琴に仕掛けられた謎をハルタらが解く、というストーリィ。 ・最後を飾る表題作「千年ジュリエット」は他の3篇と趣向をちと異にし、南高の生徒以外を主役に据えたストーリィ。それでもハルタやチカらと相通じるものがあるのは、やはり青春ストーリィの故でしょうか。 イントロダクション/エデンの谷/失踪ヘビーロッカー/決闘戯曲/千年ジュリエット |
5. | |
「惑星カロン」 ★☆ |
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高校吹奏楽部を舞台にした青春ミステリ、“ハルチカ”シリーズ第5弾。 前作で語られた清水南高校の文化祭、その後の物語とのこと。 前作でも感じたことですが、3年生が引退しマレン・セイが吹奏楽部新部長になったという変化はあるものの、主要メンバーが揃ってしまった以降ストーリィがマンネリ化しているという印象は本巻においても拭えません。 またストーリィ自体も、吹奏楽部の活動から少々外れてしまっているのではないか。 その分、主人公であるチカこと穂村千夏とその幼馴染で吹奏楽部の仲間でもあるハルタこと上条春太とのやり取りは、まるで漫才並に可笑しく楽しいのですが、これがシリーズ第一の面白さになってしまっては本末転倒と思う次第です。 ・「チェーリーニの祝宴」:チカが見つけた“呪いのフルート”の謎は? ・「ヴァルプルギスの夜」:藤が崎高校吹奏楽部の岩崎部長から請われ、山辺真琴とハルタらが謎解きに挑みます。 ・「理由ありの旧校舎」:旧校舎全開事件とは? ・「惑星カロン」:2つのストーリィが並行して走り始めるばかりか、ストーリィ自体も謎が多く複雑。本書4篇の中ではもっとも本格的ミステリと思いますが、ムリ押しの印象も強し。 ※なお、“カロン”は冥王星の衛星で、冥王星と二重惑星視されることもある星。したがって“惑星カロン”はありえないのですが、それもストーリィの一端。 イントロダクション/チェリーニの祝宴−呪いの正体−/ヴァルプルギスの夜−音楽暗号−/理由ありの旧校舎−学園密室?−/惑星カロン−人物消失− |
6. | |
「ひとり吹奏楽部−ハルチカ番外篇−」 ★☆ |
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上条春太と穂村千夏以外の清水南高校吹奏楽部の面々を描く、“ハルチカ”シリーズ番外編、文庫書下ろし。 こうした場合、各篇で一人一人を描くのが一般的ですが、本書では各篇で部員2人を絡ませ一組にして描いているところが妙。 もっともそうしないと全員登場させられないという面がなくもないのかもしれませんが。 各篇、部員一人一人の個性がはっきり出ていますが、ストーリィとしてはそれ程面白いと思うことはなかった、というのが正直な感想。 ・「ポチ犯科帳」は、元気印の1年、後藤朱里の強引さが目立つ篇。コミカルではありますが。 ・「風変わりな再会の集い」は、たまたまの事情により、駄菓子屋で店主である老婆が帰ってくるまで一緒に店番をせざる得なくなった芹澤直子と元部長の片桐圭介との間で交わされる、熾烈で遠慮ないやりとりが楽しめます。 ・表題作である「ひとり吹奏楽部」は成島美代子が、部員が事実上たった一人となった頃に思いを馳せる篇。私としては本書4篇の中で、唯一惹かれた篇です。 ポチ犯科帳−檜山界雄X後藤朱里− 風変わりな再会の集い−芹澤直子X片桐圭介− 掌編:穂村千夏は戯曲の没ネタを回収する 巡るピクトグラム−マレン・セイX名越俊也− ひとり吹奏楽部−成島美代子X???ー |