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1.テロリストのパラソル 2.雪が降る |
●「テロリストのパラソル」● ★☆ 江戸川乱歩賞・直木賞 |
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1998年07月 2007年05月 2014年11月 2002/03/27 |
主人公は、しがないアル中のバーテンダー。 その彼が偶然遭遇した昼日中、新宿中央公園での爆破事件は、彼が捨てさった筈の過去、全共闘の一員だった学生時代、そして今は時効となった爆破事件の傷を再び開くこととなります。 主人公が、爆破事件の容疑者として警察に追われながら、自分を罠に落そうとした真犯人を追い詰めていく、というストーリィ。 ハードボイルドではありますが、かなりミステリー=謎解き要素の高い作品です。 ただ、ストーリィ展開が、主人公に都合よく進み過ぎるな、という印象が所々あり。 本作品のミソは、主人公による事件の追及が、主人公自身の過去をこじ開けていく、そして思いもかけぬ過去の真相が徐々に明らかになっていく、というところでしょう。 |
●「雪が降る」● ★☆ |
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2001年06月 |
人生の中で折々に出会う、ちょっと切ない出来事、一瞬の輝き、それらを描きだした短篇集、と言ったら良いでしょうか。 最初の3篇は、サラリーマン社会を背景にしたもの。同じサラリーマンとしては、しみじみと感じるものがあります。 台風/雪が降る/銀の塩/トマト/紅の樹/ダリアの夏 |
●「蚊トンボ白鬚の冒険」● ★★☆ |
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2005年04月
2002/09/13 |
本当に面白い一冊! 藤原さんの快作と言って良いでしょう。 ブーン、ブーンという羽音が聞こえたと思ったら、突如正体不明の声が聞こえる。なんと、声の主は、水道職人である主人公の頭の中に入り込んだ、蚊トンボだという。 白鬚と名乗るその蚊トンボは、主人公に助言したり、瞬間的ではあるけれど主人公に超人的な力を発揮させたりと、奇想天外な働きを見せます。とても只の蚊トンボとは思えない。
ストーリィは、隣人のデイトレーダーと、それを追うやくざが絡むマネーゲームに主人公が巻き込まれるという、ハードサスペンス。 |