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2.監督 3.帰郷 |
●「美味礼讃」● ★★★ |
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1994年05月 1992/03/31
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美食家ブリア・サヴァランに「美味礼讃」 (邦題)という著作がありますが、それと異なり、本書は大阪あべの辻調理師学校の校長・故辻静雄氏をモデルにした小説です。 フランスの有名なレストラン“ピラミッド”のオーナーであるマダム・ポワンが登場するなど、事実の部分もあるけれども、あくまで本書は架空の物語を描いた小説です、というのが海老沢さんの後書きです。 西洋料理、しかも調理師の学校を目指して、辻さんのとった行動は徹底したものでした。アメリカで料理研究家のメリー・フィッシャー、チェンバレンと逢い、さらにフランスに渡ってポワン夫人の下で手取り足取りの指導、昼夜と毎日2度のフランス料理体験。更にデュメーヌや、アンドレ・ピック、ポール・ボキューズの所へその自慢料理を食べに行く。独身時代には、私の一人でフランス料理を食べ歩いたりしていたので、その凄さが感じられます。 マダム・ポワン(マド)やポール・ボキューズらの辻さんに対する篤い好意、それを基に日本におけるフランス料理の流れを一人で作ったと言える辻さんのストーリィには、興奮と感動を抑えきれません。 |
●「監
督」● ★★★ |
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1982年03月 1995年01月 1995/01/22 |
プロ野球の万年最下位チーム“エンゲルス”の監督に指名された広岡達朗が、如何にチームの体質を、選手の意識を変え、長島率いる常勝ジャイアンツと、ペナントレース最後の優勝を争うまでにチームを高めたか、というストーリィ。 |
●「帰
郷」● ★ 直木賞 |
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1997年01月 1995/04/15
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表題作の「帰郷」は、自動車工場から短期間F1グランプリのメカニック・チームに選ばれたものの、その後戻った元の職場に適応できず、恋人とも別れ、
職場も止めるに至った男の物語。 帰郷/静かな生活/夏の終わりの風 /鳥は飛ぶ/イブニング・ライズ/虚栗 |