歩 祐作
(あゆみゆうさく)作品のページ


1993年生、主に名古屋で育つ。2012年現在北海道大学総合理系に在学中。「ティーンズライフ」にて第12回講談社BOX新人賞Powersを受賞。

  


     

●「ティーンズライフ Teens' Life」● ★☆


ティーンズライフ画像

2012年09月
講談社刊

(1400円+税)

  

2012/09/30

  

amazon.co.jp

18歳の著者が描く清新な高校青春ストーリィ。講談社BOX新人賞Powers受賞作ということで読んでみた一冊。

文章の密度がかなり粗いという印象ですが、それはプロの小説作品と比較しての感想ですから、18歳のデビュー作について云々しても仕方ないことでしょう。
各章、各部分については色々言いたいこともありますが、全体を通して言えば、清純な気持ちを抱いていた頃の高校生時代を振り返った回想記。未熟で青臭いところ一杯ですけれど、それなりに清新な高校生の青春ストーリィです。

高校2年の春から始まって、季節毎に経験した記憶に残る出来事を描いて、翌年の高校3年生として春を迎えるまでの一年が主人公の目から描かれています。大人になってみれば、どれも通過点の出来事、大したことではなかったと思えることでも、当時としては深刻な大問題であったというのも、高校時代の回想だからこそでしょう。
主な登場人物は5人。主人公の
北村鐘、鐘が付き合っている相手=緒方詩織。鐘の親友である武藤純一とその彼女=佐々木瑞穂、詩織の親友である長谷川光という面々。
全体を通して、彼らの間の恋愛問題に引っ張られ過ぎではないかと思いますが、そうした恋愛に全く関係ない高校生活を送った私の僻みかもしれません。
なお、率直に言って上記5人の人物は皆、著者自身の分身でしょう。そうした点でストーリィがやや観念的であったところは否めないところ、と思います。 

春/夏/秋/冬/春

 


  

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