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11.わたし、定時で帰ります。ライジング (文庫改題:わたし、定時で帰ります。3−仁義なき賃上げ闘争編−) |
【作家歴】、マタタビ潔子の猫魂、海に降る、駅物語、真壁家の相続、賢者の石売ります、わたし定時で帰ります。、対岸の家事、会社を綴る人、くらやみガールズトーク、わたし定時で帰ります。ハイパー |
「わたし、定時で帰ります。ライジング No Working After Hours! Rising」 ★★☆ (文庫改題:わたし、定時で帰ります。3−仁義なき賃上げ闘争編−) |
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2023年12月
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シリーズ第3弾! 凄いなぁと思うのは、面白さに衰えがないことです。 当初、“お仕事小説”として出発した本シリーズ、この第3弾に至ってはさらに発展、企業小説、いや社会小説としての位置まで窺うのか、といった案配です。 ようやく晃太郎と一緒に婚姻届けを提出、という約束をしていたにもかかわらず、またしても会社の指示がそれを邪魔します。 2週間という期限付きで仙台支店へ出張した晃太郎、現地の仕事炎上に巻き込まれ、そのままずるずる、結衣の待つ新居(但し中古マンション)に戻れないまま。 一方、マネージャー代理となった結衣が苦労することになった厄介な相手は、何故か残業をしたがる部下社員。 そこから再び、<ネットヒーローズ>が長年にわたり貯め込んできたマグマが憤怒の如く爆発し、会社存亡の危機へ? そしてその先鋒にまさか自分が立つことになろうとは、結衣が冒頭、思いもしなかったこと。 しかし、それが面白い、だから面白いのです! “お仕事小説”にもかかわらず、後半は、まさにサスペンスフルな展開へと突き進んでいくのですから。 定時に帰りたい、でも自分一人帰っても意味がない、皆も定時退社できるようにしなければ。 一方、サラリーマンにとって残業が無くなること=給料が減ること。 そんなこと誰だって、生活が掛かっている以上受け入れられる訳がない。 だからこそ会社と部下の板挟み。そのうえ、晃太郎との間も再びギクシャク。 さあ、どうする結衣? 会社の古株社員たちに迎合するか、それとも果敢に対決する道を選ぶのか・・・。 会社って所詮は人の集まり。そして、古い人たちは若い人たちが自分たちのやり方で腕を奮おうと思うと、とかく押し潰すようなことをするんですよねぇ。自分たちの権威・立場が失われないように。 1.もっと働きたい部下/2.社歴が長い社員/3.生活残業族/4.新卒デジタル人材/5.愛社精神の塊 |