赤染晶子
(あかぞめあきこ)作品のページ


1974年京都府舞鶴市生、京都外国語大学卒、北海道大学大学院博士課程中退。2004年「初子さん」にて第99回文学界新人賞を受賞し作家デビュー。10年「乙女の密告」にて 第143回芥川賞を受賞。

 


   

●「乙女の密告」● ★☆       芥川賞




2010年07月
新潮社刊

(1200円+税)

2013年01月
新潮文庫化

2010/09/04

amazon.co.jp

京都の外国語大学で学ぶ乙女達を「アンネの日記」に絡めて描いたストーリィ。

変わり者のドイツ人教授から唐突に、主人公を含む乙女達は、スピーチコンテストに向けて「アンネの日記」の内「1944年 4月 9日、日曜日の夜」部分の暗唱ができるよう命じられる。
乙女達が悪戦苦闘する最中、乙女の一人とドイツ人教授の関係を疑う噂が流れ、そしてそれはさらに主人公にも飛び火・・・。

噂好きで、真相より噂の方を信じるというのが乙女達。一方、永遠の乙女というべきアンネ・フランクの真実とは何かが、ドイツ人教授の指導下に追及されていきます。
「アンネの日記」を題材に乙女達のアイデンティティを描いたという点に面白みは感じますが、当方、「アンネの日記」にそれ程の思い入れはなく、また乙女達の習性にはあまり近寄りたくはないし、というところで、面白みは感じたものの、それ止まり。

作品の評価と、読んで面白いかどうかは別なもの。それを象徴するのが芥川賞受賞作、とはいつも感じるところです。

        


   

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