ガブリエル・ゼヴィン作品のページ


Gabrielle Zevin  1977年生、ハーバード大卒。

 


                

「書店主フィクリーのものがたり」 ★★
 
原題:"The Storied Life of A.J.Fikry"    訳:小尾芙佐




2014年発表

2015年10月
早川書房刊

(1700円+税)

 


2015/11/17

 


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アリス島で唯一の書店「アイランド・ブックス」を営むA・J・フィクリーは少々偏屈。
というのは、妻
ニックの故郷であるアリス島で書店を開いたというのに、肝心のニックは突然交通事故死。
さらに売れば大金になった筈のエドガー・アラン・ポーの稀覯本が盗まれるという不運続き。
すっかり絶望したフィクリーでしたが、ある日、書店の本台の上にちょこんと置かれていた2歳の幼女
マヤを発見します。
今は亡き実母からマヤを託されたと信じるフィクリーはマヤを引き取って養女にし、慣れない男手でマヤを育て始めます。
そんなフィクリーを心配して、いろいろな客が書店を訪れるようになり、やがて出版社の営業担当者アメリア・ローマンとも仲直りして書店の状況も好転。

不幸な状況に陥ってもがいていたフィクリーが、マヤという幼女と出会ったことによって再び人生に意義を見い出すというストーリィ。
何やら
ジョージ・エリオットの名作サイラス・マーナーの現代版に出会ったような思いです。
と言ってもそこはそれ。現代的なストーリィに加え、フィクリーの新たな恋愛も交えます。

本好きにとって楽しいのは、数々の名作の題名が次々と登場してくること。また、各章の題は実際の小説(短編主体か)題名で、それぞれフィクリーのコメント付です。
マヤが小説好きの少女に育つという点も嬉しいところ。
要は、名作「サイラス・マーナー」に、現代的な気持ち良さを加えた作品と言って良いでしょうか。


【第一部】大人しい凶器/リッツくらい大きなダイアモンド/ロアリング・キャンプのラック/世界の肌ざわり/善人はなかなかいない/ジム・スマイリーの跳び蛙/夏服を着た女たち
【第二部】父親との会話/バナナフィッシュ日和/告げ口心臓/アイロン頭/愛について語るときに我々の語ること/古本屋

          


      

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