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●「エイジ・オブ・イノセンス」● ★☆ ピューリッツァー賞 |
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1993年9月
2004/10/05 |
1870年代、ニューヨークの上流階級を舞台にした三角関係の恋愛を描いた長篇小説。 ピューリッツァー賞を受賞したウォートンの代表作とのことですが、率直に言ってシンドかった。途中で何度放り出したくなったことか。理由は、本書が私の苦手なタイプの小説であったこと。第一には心理小説であったこと、第二には三角関係というストーリィであったこと。 本書の主人公はニューランド・アーチャー、同じ上流階級の令嬢メイ・ウエランドと婚約中です。そのNY上流社会に降って湧いたように登場したのが、イギリス貴族である夫と別居してNYに戻ってきた伯爵夫人エレン・オレンスカ。エレンがメイの親戚にあたることから、ニューランドがエレンの相談にのる羽目となりますが、それをきっかけにニューランドとエレンの間には恋愛感情が芽生えます。 ストーリィの中心はニューランド、エレン、メイという三角関係にあるのは勿論ですが、その背景となるNY上流社会を描くことこそが本作品の主眼と言えます。 本作品は当時のNY上流社会が舞台であってこそのストーリィ。本書が絶版となったのもそれ故のことではないかと、肯ける気がします。 |