サラ・スチュワート作品のページ


Sarah Stewart  米国テキサス育ち。夫のディビッドと2人で魅力的なキャラクターが登場する話題作を創作している。

David Small  米国ミシガン州デトロイト育ち。

 
1.
エリザベスは本の虫

2.リディアのガーデニング

 


   

1.

●「エリザベスは本の虫」● 原題:"THE LIBRARY"  ★★☆
 (文:サラ・スチュワート、絵:デヴィッド・スモール)   訳:福本友美子




1995年発表

2003年10月
アスラン書房
(1600円+税)

 

2009/06/21

 

amazon.co.jp

本好きにとっては楽しいことこの上ない絵本です。

主人公のエリザベス・ブラウンは、生れ落ちてすぐから本が大好き、本の虫。
四六時中、「読んで、読んで、読みふける。」

私も本の虫ですけれど、本格的に本が好きになったのは高校1年の時からですし、その後にしたって、とてもとても本書のエリザベスには及びません(当たり前か)。
友達に本を貸すのにも貸出カードを作り、真夜中であろうとおかまいなくしっかり本を返してもらう、というのには笑ってしまいます。でも偉いじゃないですか、友達に本を貸して上げているのですから。私は何度か懲りているので、人には本を貸しませんから。
「デートするより、本が好き」、そうなんですよねぇ、デートも良いですけれど、本を読んでいる方が・・・・。(苦笑)

家を買って本を貯め込み、子供が来れば本で積木をさせて遊ばせる等々。ついにこれ以上家に本が入らないとなった時、エリザベスはどう行動したか?
これは、本当にグッド・アイデアです。私だってそうするでしょう。おかげで「読んで、読んで、読みふけったとさ」というエリザベスの老後は毎日楽しさいっぱい。○年後の私自身の姿を見る気がします。(笑)

文だけでなく絵もとても素敵です。エリザベスの容姿も個性的かつ魅力的ですが、さすがに本で一杯になった家の様子は何とも恐ろしい、でも愉快。

※同じエリザベスという名前の女性が主人公のやんごとなき読者を思い出します。そろって読んだらきっと楽しいはず。

 

2.

●「リディアのガーデニング」● 原題:"THE GARDENER"  ★★
 (文:サラ・スチュワート、絵:デヴィッド・スモール)   訳:福本友美子




1997年発表

1999年10月
アスラン書房
(1600円+税)

  
2009/08/01

  
amazon.co.jp

話も好いですけれど、絵も好いですね。
大きく空間(世界)が広がっている絵、大好きです。

さてストーリィ。
田舎で祖母・両親と暮らしている少女=リディア・グレース・フィンチ、両親が仕事を失い生活に困っているところ、町でパン屋をやっているジムおじさんからの申し出を受け、おじさんの元で暫く暮らすことになります。
そのリディアが、ジムおじさん、両親らへ書いた手紙という趣向で綴られる物語。

このジムおじさん、優しい人の筈なのに、つるっぱげでゲジゲジ眉、しかもしかめっ面と、極めてこわそうな雰囲気なんですよ。
そのにこりともしないジムおじさんに、何とかにっこりさせようとリディアが始めた計画とは・・・・?

最後のページは、家に帰ることになったリディアを見送る駅でのシーン。文はもはやなくて絵だけなのですが、とりわけ好いんですよね〜。
怖そうな顔つきと正反対に、ジムおじさんの優しさ、愛情が満ち満ちていて感動的です。
※そんなジムおじさんなのに、独り者とは、なんて辛い。

           


 

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