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「禁 忌」 ★☆ |
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主人公であるゼバスチャン・フォン・エッシンブルクは、ドイツの地方名家の生まれ。文字のひとつひとつに色を感じる特異な感覚の持ち主で、長じて写真家として成功。 しかし、ある日、若い女性を誘拐して殺害した容疑で逮捕され、刑事に脅されて自供したことから、被害者が発見されないまま起訴されます。 ゼバスチャンの敏腕弁護士となったビーグラー、ゼバスチャンの言動に戸惑うことも。 果たしてゼバスチャンは犯人なのかどうか、そして判決は有罪か無罪か。 前半はゼバスチャンの半生が語られ、後半でゼバスチャンが逮捕され、裁判に至るという2部構成。 前半の面白さは後半のスリルを盛り上げるためだったのでしょうか。後半、どういう結末を迎えるのかまるで見当がつかないストーリィです。 しかし、読み終わり振り返ってみると、まるで理解できず。 特異な感覚の持ち主という点がどうストーリィに関わっていたのか? 結局事件はゼバスチャン自身による○○○○さながらといった具合ですが、彼の目的は一体何処にあったのか。題名の意味さえ不明です。 人が人の罪を追求することの難しさ、危うさ、驕りを浮かび上がらせることが本書の狙いであったのではないかと思うのですが、その通りであるかどうかは余り自信持てず。 緑/赤/青/白 |