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1.人喰い鬼のお愉しみ 2.片目のオオカミ |
●「人喰い鬼のお愉しみ」● ★ |
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2003/10/02 |
この作品が一大ベストセラーとなり、作者ペナックは一躍人気作家になった、続編も刊行されたという、“コミック・ミステリ”とのことですが、正直なところ、首を傾げてしまいます。 フランス文学を読んでいると、時折、笑いの感覚が自分のそれとはズレているのではないかと感じるのですが、本作品もまさにそんな一冊。 主人公はバンジャマン・マロセーヌ、百貨店の品質管理係です。といっても、担当名は肩書だけであり、実際は顧客の苦情を受けて、店内での叱られ役を一手に引き受け、顧客の同情をかって苦情を諦めさせてしまう、という役回り。 本書の面白さは、ストーリィ展開の面白さより、むしろ言葉の端々、登場人物の行動ひとつずつ、ブラックユーモアと言うべきやりとり、そんな所にあるようです。 |
●「片目のオオカミ」● ★★☆ |
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2003/10/02 |
一応、児童向け小説ですが、内容はかなり深遠なものを含んでおり、むしろ大人こそ味わうことができる、と思います。
動物園にいる青い目のオオカミは、妹を助けるため人間に捕まった時に片目となり、それ以来孤高の姿を守っています。そんなオオカミの前に、毎日ずっと立ち尽くす一人の少年。 まずオオカミがこれまでを語り、次いでアフリカという名の少年が自分を語るという展開ですが、物語自体はとても単純なもの。 オオカミと少年の出会い/オオカミの目/人間の目/ほかの世界 |
●「カモ少年と謎のペンフレンド」● ★★☆ |
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2003/09/23 |
何という奇天烈な展開、何という仕掛けでしょうか。 中盤、ネートチカ・ネズナーノワという名前が登場するに至ってすべて判りましたが、思わず笑い出してしまいました。 その少し前から、何かひっかかるんだよなぁと思っていたのですが、そうかァそういうことだったのか。 本書は、少年少女向けの作品。 ※「カモ少年と謎のペンフレンド」、「カモの逃亡」、「カモとぼく」、「カモと世紀の名案」と、カモ少年ものはミステリータッチ4部作。 |