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「ウィニー・ザ・プー」 ★★☆ |
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<新潮モダン・クラシックス>第一弾。 石井桃子訳で古くから親しまれていたミルンの名作を、阿川佐和子さんの新訳で刊行。 A・A・ミルンというと児童向け作家という認識が一般的なのでしょうけれど、私がかつて読んだミルン作品は推理小説。 機会があれば児童向け作品もとは思いつつ30年近くが経ってしまいましたが、今回新潮社の新シリーズで刊行されたのを機会にやっと読んでみた次第です。 クリストファー・ロビンと、その友人であるクマのウィニー・ザ・プー、子豚のコプタン等々が登場し、愉快な物語が繰り広げられます。 そこはクマ、コブタですから、人間に比べ知恵が劣るのは当然といっても良いことですが、彼らを見下すことなく、滑稽さを振りまく彼らを愛おしく思う視線が何とも温かく、ユーモラスなストーリィ展開と合わせて楽しい一冊になっています。 なお、10篇の中で私が特に愉しかったのは、「カンガと赤ちゃんルーが森にやってきて、コプタンはお風呂に入る」の篇。 1.ウィニー・ザ・プーとミツバチが登場。さて、お話は始まります。 2.プーがお宅訪問して身動きが取れなくなる。 3.プーとコプタンが狩りに出て、もう少しでイタズラッチを捕まえられたのに。 4.イーヨーがしっぽをなくし、プーが見つける。 5.コプタン、ゾオオに会う。 6.イーヨーが誕生日にプレゼントを二つもらう話。 7.カンガと赤ちゃんルーが森にやってきて、コプタンはお風呂に入る。 8.クリストファー・ロビンがタンタン隊長になって北極(ノース・ポール)を目指す。 9.あわれ、コプタンの家、水没!? 10.クリストファー・ロビンがプーのためにパーティを開いて、みなさん、さようなら。 |