1990年11月
岩波書店刊
2004/12/25
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大家族の素朴なクリスマス物語。
主人公エルッキ・セッパラは10歳、10人兄弟の5番目です。
貧乏大所帯というセッパラ家ですが、クリスマスは家族皆が楽しみに待ちのぞむ大切な行事。船に乗って働いている長兄マッティが、弟や妹達へのプレゼントを用意してくれるというのも、恒例のことになっています。
ところが、クリスマス前、マッティの船の消息が不明となり、両親はひどく心配します。そして、エルッキは、皆へのプレゼントがどうなるのだろうということも心配。
せめてマッティの代わりをと、お金がないため工夫して、エルッキは皆へのプレゼントをこしらえ始めます。
「だいじなのは、プレゼントをあげたいとおもう心なんだ」という、エルッキへ語る父親の言葉が胸に残ります。
貧しいものかもしれませんが、エルッキ手作りのプレゼントをもらって、皆が喜びを分かち合う姿がそこにあります。
素朴な家族愛、兄弟愛に感動させられる、まさにクリスマスらしいストーリィです。
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