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「さよならのあとで」 ★★☆ |
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親しかった人の死を悲しんでいる人へ、その人が語りかける、という想定に立った一篇の詩。 仲の良かった従兄の突然の詩、ちょうどその時にこの詩を知り、従兄のその両親にこの詩を本にして贈りたいと思った。それが、島田潤一郎さんが青葉社を立ち上げるきっかけだったそうです。 「死はなんでもないものです。私はただ となりの部屋にそっと移っただけ。 ・・・・」 私も今年の4月に父を亡くしましたが、今もその生前の姿を忘れることはありません。この世界では会えなくなった、というだけのこと。 ですからこの詩の言葉はそのまま現在の私の気持ちにぴったり沿いますし、気持ちを和めてくれる気がします。 たった一篇の詩のためだけの一冊の本。 何て贅沢なことでしょうか。でも、詩とは本来、そんな風に一篇だけをじっくり味わうべきものなのでしょう。 |