1748年発表
1995年8月
岩波文庫刊
(505円+税)
2004/12/05
|
1748年に初演されたイタリア喜劇。9年ぶりの再読です。 題名からすると、こすっからい未亡人の話のように取られかねませんが、そんなことはない。
裕福な商人であった年寄りの夫が亡くなり、未亡人となったロザーウラが本喜劇の主人公。まだ若く美しく、しかも聡明なロザーウラの元には、求婚者たちが足繁く通います。
イギリス人のルネビーフ閣下、フランス人のムシュー・ル・ブロー、スペイン貴族のドン・アルバロ・デ・カスチリャ、イタリア貴族のボスコ・ネーロ伯爵、という面々。
要は、4国の求婚者を並べ、求愛ぶり、ロザーウラの駆け引きにおける国民性を比較し、笑って楽しもうという喜劇なのです。
ヴェネチア作家の手による劇ですから、地元イタリア贔屓なのは仕方ないこととして、イギリス、フランス、スペインと、いかにもそれらしいやり取りは愉快。
ロザーウラのフランス女の小間使マリオネット、宿屋の下僕アルレッキーノらの脇役も、側面から笑いを盛り上げています。
いわゆる高尚な喜劇ではなく、カラッと明るく笑ってしまえるところが楽しい。
※女性が男性を上手に手玉に取るという点では、シェイクスピア「恋の骨折損」に共通するところがあります。
それにしても、若い娘と年寄りという結婚の組み合わせは、当時珍しいことではなかったのでしょうか。
|