パトリシア・D・コーンウェル作品のページ


Patricia D.Cornwell 米国の作家。警察担当記者、バージニア州検屍局のコンピュータプログラマーを経て、90年「検屍官」にて作家デビュー。

 


 

●「検屍官」● ★★       NWA・CWA処女大賞
 
原題:"POSTMORTEM"     訳:相原真理子

 

1990年発表

1992年1月
講談社文庫刊

1996年4月
特装ハード
カバー本刊

 

1993/01/12

MWA・CWA処女作賞の同時受賞作品。
主人公は、ケイ・スカーペッタという40歳で離婚歴のある女性検屍局長。
検屍局という職業自体、小説探偵の職種としては珍しいのではないでしょうか。本書は、そのスカーペッタが、連続暴行殺人の犯人を追うストーリィ。
本書の主人公が女性である点に、本書の面白さの鍵があります。女性だからといって、ガセネタまで作って彼女の足をすくおうとする、上司である衛生局長が登場する。その他にも、女性だからといって偏見をもつ男性達は、彼女の周辺に多くいます。それらに負けず、確かな実績を挙げて活躍するところが、スカーペッタの魅力でしょう。
本書はストーリィとしても良くできていますし、舞台設定もお見事。読み進むにつれ、犯人がスカーペッタの男友達である地方検事に思えたり、上司の衛生局長、或いは担当の刑事ではないかと、スリルがあって十分に面白い。
ケイ・スカーペッタという主人公像が魅力の、本格的サスペンス小説です。

     


 

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