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Barbara Constantine 1955年フランス、ニース生。父はアメリカ出身の映画監督エディ・コンスタンティーヌ、母はバレエダンサー。長く映画製作の現場でスクリプター(記録係)を務め、2007年作家デビュー。パリ近郊在住。 |
「何度でも、おかえりを言おう」 ★☆ |
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2015年06月
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息子夫婦と孫2人が家から出ていって、大きな農家に一人暮らしとなった老人フェルディナンが主人公。 大雨の日、隣人でやはり一人暮らしの老女マルスリーヌが、屋根に穴が開いたおかげで困っているのを見かね、一時的にでも自分の家に避難してこないかと声を掛けます。 それ以来、フェルディナンはついつい困っている人たちに声を掛け・・・・。 1人暮らしの老人がふとしたきっかけの積み重ねで、老人仲間や若い人たちのシェアハウスのような共同生活を送ることになるというストーリィ。 人間はやはり一人ではなく、喜びや悲しみ、問題事を分かち合ってこそ生きる楽しみも、生き甲斐もあるというもの。 それをユーモラスに、温かく描いた作品です。 本書は、寂しく一人暮らしをしている老人たちが慰め合うために集まった、というストーリィではありません。フェルディナンの孫2人は祖父が大好きで、祖父の元にやってくるのをむしろ楽しんで生き生きしているくらいです。 また、同居人の輪にはやがて若い人も加わります。 皆がお互いに助け合って、和気藹藹と共同生活を築いていくというストーリィ。明るくユーモア感が常に漂うているところが本作品の魅力です。 |