マーシャ・ブラウン作品のページ


Marcia Brown  1918年米国ニューヨーク州ロチェスター生。絵本作家。師範学校を出て3年ほど教鞭をとる。その後、ニューヨーク公共図書館に勤務。子ども図書館のお話の名手として経験を積み、米国の最優秀絵本賞であるコールデコット賞を2度受賞。

 


   

●「せかい1(いち)おいしいスープ−あるむかしばなし」● ★★
 原題:"STONE SOUP"                 訳:渡辺茂男




1947年発表

1979年10月
ペンギン社刊
(980円+税)

 

2010/04/17

 

amazon.co.jp

長く絶版状態にあったために、オークション等では法外な価格で取引されていた伝説の絵本がついに復刊される、と聞き、どんな絵本だろう?とさっそく図書館で借りてみました。

原題は「石のスープ」。フランスの昔話「奇妙なスープ」を素材にしたお話とのこと。

主人公は、戦争が終わって故郷へ帰る途中の3人の兵隊。
2日間何も食べておらず、お腹いっぱい食べたい、ゆっくり眠りたいと期待して辿りついた村に入ってきたものの、村人たちは兵隊たちを警戒して、事前に食糧をすべて隠してしまい、食糧に困窮しているという風を作ります。
そうと知った3人の兵隊、それなら仕方ない、石のスープを作りますと言って村人から大鍋を借り、早速火を付けてお湯を沸かし始めます。
さて、どんなスープができるのやら・・・・。

食糧を隠してしまった村人たちが、○○○○があれば石のスープがもっと美味しくなるのになぁと言われると、いそいそと隠していた食糧を持ち寄ってくる単純さ、何とも愚かしくあるようでいて、人の好さを表しているようでもあり、ユーモラス。
村人たちの楽しげな様子や、兵隊たちの知恵者ぶりを評価して歓待しだした兵隊たちと村人たちの交流にも、ほのぼのとした温かさが感じられます。

3人の兵隊の登場には古めかしい印象がありますが、ユーモア感覚などは十分現代的。
さてこの絵本、大人より子供たちの方がもっと楽しめるのでは。

             


 

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