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●「ウェイクフィールド/ウェイクフィールドの妻」● ★★★ |
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2004年10月
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謎の失踪をとげた挙句、その20年後に何事もなかったように自宅へ戻ったという夫を描いたホーソンの「ウェイクフィールド」。本書はそれを、妻の側から描いた長篇小説です。 「ウェイクフィールド」は短篇小説に過ぎませんが、ストーリィのあらゆる点に謎があり、それでいてその謎が明らかにされないまま書き終えられているという作品です。 その意味で、いったん「ウェイクフィールド」を読んだならば、本書「ウェイクフィールドの妻」に興味そそられること、間違いありません。原作においてまるで触れられていない妻の状況が、そこに描かれているのですから。 原作「ウェイクフィールド」の謎はそのまま謎として残し、原作を損なうことなく魅力に富んだ新たなる小説を生み出した、という風なのです。。 |